中村勘九郎 5年ぶり大阪公演、勘三郎さんの遺志受け継ぐ

[ 2015年7月31日 06:16 ]

今秋の大坂の陣400年記念・大阪平成中村座に向けて会見を行った中村勘九郎

 歌舞伎俳優の中村勘九郎(33)が30日、大阪市内で「大坂の陣400年記念 大阪平成中村座」(10月25日~11月26日、大阪城西の丸庭園内特設劇場)に向けた会見を行った。

 大阪公演は2010年以来、5年ぶり3度目で、12年に父の中村勘三郎さん(享年57)が亡くなって以来初めて。最近は「(自分が座頭になり)いろいろなところで気を配らないといけない。父の偉大さを感じている」という。

 10年の大阪公演直後に勘三郎さんが特発性両側性感音難聴を発症したこともあり、「直後に父が倒れたので、複雑な思いがある。楽屋でも“おかしいだろ。手、冷たいだろ?”と言っていた。(車を降りてから)あの小屋に向かう道のり(西の丸庭園)が嫌。父とともに歩いた道を思い出すことになる」としみじみ。しかし、「そんなことを考えていたら、きっと“ちゃんとやりなさい”と(天国で)言っている」と表情を引き締めた。

 同公演では大坂の陣400年にちなんだ「三升猿曲舞」「盲目物語」などの演目を予定し、勘九郎も木下藤吉郎を演じる。「太閤さまにゆかりのあるものをやりたかった。プレッシャーもあります」と言い、「父は20代後半から大阪で過ごし、大阪で育ててもらったと言っていた。また大阪でできるのは幸せ」。5年前の千秋楽、勘三郎さんは大阪城に還暦で帰ってくると友人に語ったという。生きていれば60歳。勘九郎はその遺志を受け継いでいくことを誓った。

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2015年7月31日のニュース