又吉新作エッセー「文学界」凱旋 8・7発売「芥川龍之介への手紙」

[ 2015年7月30日 05:32 ]

芥川賞を受賞したピースの又吉直樹

 中編小説「火花」で第153回芥川賞を受賞したお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(35)が16日の受賞後に書いたエッセーが、8月7日発売の文芸雑誌「文学界」(9月号、文芸春秋社)に掲載されることが29日、分かった。文学界編集部によると、「芥川龍之介への手紙」と題した6ページのもので、“芥川賞作家”としての1号作品。受賞後の芥川龍之介への思いをつづっているという。担当者は「又吉さんの創作にかける思いが詰まっているすばらしい文章」としている。

 芥川賞の受賞は、お笑いタレントとして初の快挙。又吉は受賞後、本業の漫才のほか、テレビ出演やインタビュー取材などで多忙を極めているが、関係者によるとタイトなスケジュールの中、1日で書き上げたという。気になる小説の次回作については、エッセーの中では触れられておらず、同編集部によると「未定」という。

 この日、「火花」を担当した同編集部の編集者、浅井茉莉子さん(31)がTBSの情報番組「白熱ライブ ビビット」の取材に応じ、エッセーを「凄いものになっている」と絶賛した。

 「火花」は文学界の今年2月号に掲載された。同号は、同誌82年の歴史で初めて増刷され話題となった。芥川賞作家となって“凱旋”する9月号も注目を集めること必至だ。「火花」は単行本は受賞後に増刷に次ぐ増刷を重ねており、現在、累計発行部数は144万部に達している。電子書籍販売サイトでも28日までに累計7万5000ダウンロードを記録している。

 ◇文学界 文芸春秋社の純文学部門を担う月刊文芸誌。1933年発刊。新潮、群像、すばる、文芸とあわせて「五大文芸誌」と呼ばれ、中でも文学界掲載の小説は芥川賞を受賞することが多いとされている。文学界新人賞を主催しており、1955年の第1回は石原慎太郎氏の「太陽の季節」が受賞。

続きを表示

2015年7月30日のニュース