キムタク&堺主演ドラマでも大ヒットせず…視聴率伸び悩むワケは?

[ 2015年5月20日 10:35 ]

キムタク主演「アイムホーム」で主人公の妻を演じる上戸彩と「Dr.倫太郎」主演の堺雅人

 4月にスタートした民放の連続ドラマが“折り返し地点”を迎えた。放送前から話題となっていたのはSMAPの木村拓哉(42)、堺雅人(41)のビッグネーム2人が主演する2作。キムタク主演のテレビ朝日「アイムホーム」(木曜後9・00)は5回の放送を終えて平均視聴率が14・39%、堺主演の日本テレビ「Dr.倫太郎」(水曜後10・00)も同じく5回を終えて13・13%と、ともに大ヒットまでは至っていないのが現状だ。

 各回の視聴率を見ると「アイムホーム」は16・7%でスタートし、第2話以降は14・0%→13・5%→12・6%と右肩下がりで推移し、第5話で14・5%と再浮上。「Dr.倫太郎」は初回13・9%から13・2%→13・7%→13・9%と横ばいだったものが、第5話で10・8%と大きく数字を下げている。

 では、視聴者の評価は視聴率通りなのだろうか?データニュース社(東京)が行っているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象3000人)によると、各回ごとの満足度(5段階評価)は「アイムホーム」が3・54→3・76→3・87→3・73→3・73で、最も視聴率が高かった初回が唯一、高満足度の指標である3・7を下回る結果に。一方の「Dr.倫太郎」は3・80→3・49→3・75→3・75→3・85と、逆に視聴率が最も低かった第5話が最も高い評価を得ている。

 どちらも1話完結で物語が進行しつつ、ドラマ全体で大きなストーリーが展開していくスタイル。最近ヒットしたドラマで主流となっている手法だ。視聴率男ともいえるビッグネーム2人が主演。脇を固めるキャスト陣も豪華で、脚本は「医龍-Team Medical Dragon-」「BOSS」(ともにフジテレビ)などの林宏司氏と「ドクターX」(テレビ朝日)やNHKの朝ドラ「花子とアン」などを手掛けた中園ミホ氏を起用。ヒットの“条件”がそろっている両作品の数字が伸び悩んでいる理由は?

 「テレビウォッチャー」に寄せられた意見を見ると「木村拓哉はカッコ良い」(55歳男性)「木村さんが今までと違う役でハラハラ、心配で面白そう」(57歳女性)「堺雅人の演技がいい」(34歳女性)「さすが堺さんだね。面白かった」(61歳男性)など、これまでの役柄とは違う新境地に挑んでいる主演2人への評価は高い。「アイムホーム」ではキムタク演じる主人公の家路久が失った記憶を徐々に取り戻し、「Dr.倫太郎」では堺演じる倫太郎がヒロインの夢乃(蒼井優)が抱える心の闇をが解きほぐしていく。そのストーリーに秘められた“謎”の部分が「今後の展開が楽しみ&次回が気になる」派と「分かりにくい&もう見ない」派に視聴者を分けてしまい、視聴率が伸びない一因となっているようだ。

 どちらもサスペンス的な要素を持ちつつ、ほのぼの感や温かみを感じられるヒューマンドラマ。ドラマ好きを満足させる良質の作品であることは間違いないが、扱っているテーマが重く、例えば、大ヒットした中園氏脚本の「ドクターX」や堺が主演した「半沢直樹」(TBS)のように見ている時の“ドキドキ感”や見終わった後の“痛快さ”はあまり感じられない。厳しい現実世界を生きる今の視聴者たちが求めているのは、もっとエンターテインメント色が強く、見終わった後にスカッとするようなドラマなのかも。後半から終盤にかけて謎が解き明かされ、視聴率も盛り返していくのか?今後も両作品に注目が集まりそうだ。

※視聴率はビデオリサーチ社調べ、関東地区

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