健さんが頭なでなで…広末涼子“思い出の場所”で秘話明かす

[ 2014年11月23日 05:30 ]

映画「想いのこし」初日舞台あいさつで目を潤ませる広末涼子

 女優の広末涼子(34)が22日、東京・丸の内TOEIで出演映画「想いのこし」(監督平川雄一朗)の初日舞台あいさつに参加した。丸の内TOEIは、10日に亡くなった高倉健さん(享年83)と共演した映画「鉄道員(ぽっぽや)」の初日を迎えた99年6月5日にも立った劇場。舞台あいさつ後、取材に応じ、健さんへの思いを語った。

 亡き娘を演じた当時は18歳で、「芝居の右も左も分からなかったけど、背中で見せる健さんの姿に、日本人男性の美しさや格好良さを目の当たりにした」という。完成した映画の試写は、健さんの隣の席で観賞したといい、「私が大泣きしてて、健さんに頭をなでてもらった」と秘話を語った。

 「鉄道員」の撮影は南富良野を中心とした北海道と、東映東京撮影所で行われた。広末の出番は東京だけで、北海道に行く予定はなかった。だが製作発表時、健さんに「君も北海道にいらっしゃい」と声を掛けられ、「撮影がないのにいいのかなあって。でも“行きます”と言ったんです」

 訪れた南富良野で目に焼き付いたのは、雪が降りしきる極寒の地で、寡黙に撮影に挑む健さんの姿だった。「現場を体感して撮影に入るのと、ただスタジオに入るのとでは全然違っていたと思う。“役作りに来なさい”ではなく、“おいで”って声を掛けてくれたのは健さんのお人柄」と振り返った。当時もらった健さん愛用のスキットル(小型の金属製の水筒)は今も大切にしている。

 「映画人として生きた健さんの人柄を見ると、悲しんでばかりいられない。日本映画の中で生きる人間として、遺志を引き継いでいきたい」と気持ちは前を向いている。「言葉での指導ではなく、背中で役者魂を感じさせる方。私も女優として、そういう人間になれたらと思います」と決意を語った。

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