島倉千代子さん紅白辞退の手紙公開 一周忌、KITTEで展覧会

[ 2014年10月28日 06:00 ]

来月8日に一周忌を迎える島倉千代子さん

 肝臓がんのため昨年11月8日に亡くなった歌手島倉千代子さん(享年75)の一周忌を迎える来月7~9日に展覧会が開かれる。会場は東京・丸の内のJPタワーKITTE。「こころ展」と題され、展示物を通じて、島倉さんの律義な人柄や実直な性格に触れることができる。

 目玉の一つが、87年にNHK紅白歌合戦を辞退した時に同局関係者に宛てた手紙。手紙の存在は知られていたが、その内容が公開されるのは初めてだ。

 同年10月、「紅白歌合戦 担当者ご一同さま」に宛てられ、便箋6枚にわたる。「(出場)30回を機に辞退させていただきたく、筆を執りました」などとつづられている。文面からは番組への感謝が伝わってくる上、きれいで丁寧な字面は島倉さんの実直な人柄を表している。

 島倉さんは57年から86年まで30年連続で出場。手紙を送った1カ月後の87年11月に記者会見を開き、自ら辞退を申し出たことを明らかにした。

 ほかにも、唯一の実姉とのデュエット曲とみられる音源が地方で見つかり、試聴展示されることも決まった。

 島倉さんは生前、地方の団体などの依頼を引き受けて吹き込んだ楽曲が多数あり、そういった“ローカル盤”が全国各地に眠っているとされる。このタイミングで見つかったのは「一の宮青年音頭」という愛知県一宮市の青年団協議会と制作した曲で、12歳年上の実姉・敏子さんとともにレコーディングした。

 仕事を選ばず、地方団体の依頼も快く引き受けていた島倉さん。展示物は250点を予定しており、主催側は「島倉さんの“こころ”に触れ、優しい気持ちになれると思う」としている。

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