復興遂げた神戸が舞台 日韓合作映画「ゲノムハザード」

[ 2014年1月18日 05:30 ]

通勤シーンを阪神電車で撮影する西島秀俊(中央)ら

 神戸市内で撮影された西島秀俊(42)主演の日韓合作映画「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」が24日、公開される。阪神大震災から19年。復興を遂げた街並みや建造物が背景を彩る。

 日韓両国で撮影され、神戸では大規模撮影が初となる神戸税関、旧居留地や神戸空港、甲南大など約20カ所でロケ。韓国人のキム・スンス監督は「次も神戸で撮りたい」と魅力にとりつかれた。ロケ地紹介や撮影許可の申請業務などを担った「神戸フィルムオフィス」の田中まこ代表は、「神戸には海や山、都会、田園、和洋中の風景がそろい、そのどこへでも1時間以内で移動できる」と胸を張る。また、「キム監督は市民や警察の撮影への理解にも感動していた」という。

 地元へのロケ誘致や撮影支援を行う機関「フィルムコミッション(FC)」設立への動きが国内に起こったのは98年。阪神大震災の3年後、神戸市が街を盛り上げる方策を求め、都内で映像製作を行う田中さんらに相談した。田中さんは以前暮らした米国では普及し、日本にはないFCを神戸で立ち上げることを提案。地元・西宮市に戻り、00年9月に行政では国内初のFC・神戸フィルムオフィスの設立に寄与した。

 絵になる街とFCがある神戸は国内外の映像関係者に注目され、この13年余りで映画「アウトレイジ」や韓国ドラマ「スターの恋人」など約2000作品のロケ地に。当初は傷痕が癒えない街へ娯楽を持ち込むことに賛否両論あったが、“神戸を元気に”の信念に賛同者は増えた。警察や民間企業、店舗も撮影を積極的に支援。市民もエキストラ出演するなど協力的だ。田中さんは「震災を乗り越えた市民の結束力を感じる」と力を込めた。

 記憶を上書きされた男が真実追求に奔走する5日間を描く「ゲノム…」。謎多き物語とともに、美しい神戸を堪能してほしい。

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2014年1月18日のニュース