中村福助“襲名疲労”で入院 歌舞伎座公演休演に

[ 2013年11月14日 06:00 ]

11月公演を休演した中村福助

 歌舞伎俳優の中村福助(53)が体調不良のため、出演中の東京・歌舞伎座11月公演「仮名手本忠臣蔵」を休演すると13日、松竹が発表した。福助は夜の部で遊女おかるを演じていたが、同日から中村芝雀(57)が代役を務めた。

 所属事務所によると福助は12日の公演後、めまいを訴えたため、都内の病院で検査。血圧の数値がかなり高かったため、そのまま入院した。血圧以外は特に問題はないという。ここ数年、多忙でまとまった休みが取れていなかったといい、所属事務所は「この夏ごろから疲れがたまっている様子だった」としている。

 多忙なスケジュールに加え、今年9月には、七代目中村歌右衛門を来年襲名することが決定。歌右衛門は女形の大名跡だけにプレッシャーは相当なものだったようで、ブログには「自分のような未熟者が本当にこんな大きなお名前を襲名させていただいても良いのか、悩みに悩みました」などとつづっていた。

 襲名披露興行は来年3月、歌舞伎座でスタート。所属事務所は「体調を万全にして、大きな舞台に臨ませたい。ご迷惑をおかけすることになりますが、しばらくは静養させていただくことになると思います」と話している。

 歌舞伎界では坂東三津五郎(57)がすい臓がんの切除手術を受け年内休演を発表。片岡仁左衛門(69)も右肩手術のため年内の舞台出演を取りやめている。また中村吉右衛門(69)は味覚障害が原因で体重が10キロ減少。幹部俳優の体調に関するトラブルが続いており、ファンを心配させている。

 ◆中村 福助(なかむら・ふくすけ)本名中村栄一。1960年(昭35)10月29日、東京都生まれの53歳。67年、歌舞伎座で五代目中村児太郎を名乗り初舞台。92年、九代目中村福助を襲名。水野晴郎監督のカルト映画「シベリア超特急2」(00年)、NHK大河ドラマ「新選組!」(04年)などにも出演。04年、日本芸術院賞受賞。熱烈な阪神ファン。趣味はゴルフ。

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2013年11月14日のニュース