健さん 陛下と対面「日本人に生まれてよかった」

[ 2013年11月4日 06:00 ]

文化勲章の親授式で天皇陛下から勲章を受ける高倉健さん

 文化勲章の親授式が3日、皇居・宮殿であり、「松の間」に立った天皇陛下が、俳優の高倉健(82)ら5人に勲章を手渡された。高倉は式後に宮内庁で記者会見に臨み「日本人に生まれて本当に良かったと、きょう思いました」と喜びを語った。

 俳優生活58年で205本の映画に出演。かつてはヤクザ映画の看板スターとして「網走番外地」「昭和残侠伝」シリーズなどに主演。任侠スターからの転機になった「幸福の黄色いハンカチ」(77年)でも、殺人罪で服役した男を演じた。こうしたことを踏まえ「(映画では)ほとんどは前科者をやりました」と振り返り「そういう役が多かったのにこんな勲章をいただいて、一生懸命やっていると、ちゃんと見ててもらえるんだなと素直に思いました」と笑顔を見せた。

 歌舞伎を除く演劇・映画・放送分野の俳優が受章するのは05年の森光子さん(享年92)以来で、91年の森繁久弥さん(享年96)、00年の山田五十鈴さん(享年95)と合わせて4人目。高倉は「これからの作品選びは章に恥じないものをやらなければいけない。責任重大だなと思っています」と力を込めた。

 ほかに受章したのは万葉集の研究で知られる富山県立高志の国文学館長中西進さん(84)、電子工学の東北工業大理事長岩崎俊一さん(87)、書家高木聖鶴さん(90)、医化学・分子免疫学の京大客員教授本庶佑さん(71)。陛下は「今後ともそれぞれの分野の発展のために尽くされるよう願っています」と祝福の言葉を掛けた。

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2013年11月4日のニュース