菊池寛賞にサザン バンドでは初「現代日本文化に多大な影響」

[ 2013年10月16日 06:00 ]

 第61回菊池寛賞(日本文学振興会主催)が15日に発表され、サザンオールスターズが選ばれた。過去の受賞者は文学や演劇などの分野からの選出が多く、歌手では94年の安田祥子(72)由紀さおり(64)姉妹以来19年ぶりで、バンドでは初めて。今年、デビュー35周年の節目で5年ぶりに活動を再開したサザンが、意外な栄誉を手にした。

 サザンへの授賞理由は「デビュー35周年の今日まで、その音楽性、キャラクター、メッセージで現代日本の文化に多大な影響を与えてきた」こと。「これからも走り続ける日本を代表するバンド」と評価された。

 菊池寛賞は、作家の故菊池寛が日本文化の各方面に残した功績を記念するための賞で、1952年に制定。菊池が関係が深かった文学や演劇、映画、新聞、放送など広く文化活動の分野で、その年度に最も清新かつ創造的な業績を挙げた人や団体に贈られる。

 音楽の分野での受賞は珍しく、歌手では94年に「安田祥子・由紀さおり姉妹による童謡コンサート」が、「美しい日本の童謡を次代に伝え、正しい日本語を普及すべく努めた」などとして受賞。99年には「小澤征爾とサイトウ・キネン・フェスティバル松本実行委員会」が「松本から最高水準の音楽を世界に贈り続ける指揮者小澤征爾と松本実行委員会の営為」を評価され受賞したが、バンドではサザンが初めてだ。

 正賞は置き時計で、副賞は賞金100万円。贈呈式は12月上旬に東京都内で行われる。日本文学振興会によると、サザンのメンバーが贈呈式に出席するかどうかは未定という。

 ほかの受賞者は、絵本「ぐりとぐら」シリーズを手掛ける中川李枝子さん(78)と山脇百合子さん(72)、世界で初めてダイオウイカの撮影に成功したNHKスペシャルシリーズ「深海の巨大生物」など。

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