坂東三津五郎 すい腫瘍で入院「早期発見できたことは大変幸運」

[ 2013年8月27日 06:00 ]

入院を発表した坂東三津五郎

 歌舞伎俳優の坂東三津五郎(57)が26日、同日付のスポニチ本紙既報通り、「九月大歌舞伎」(9月1~25日、東京・新橋演舞場)を降板することを発表した。すい腫瘍のため、現在、都内の病院に入院しており、今後治療を受ける。「早期発見できたことは大変幸運なことだそうです。しばらくお時間をちょうだいしたく存じます」とコメントした。

 マスコミ各社に送ったファクスで三津五郎は、「この50年、病気・ケガでの入院もなく、休まず舞台に打ち込めたのは丈夫な体のおかげだと思っておりました。ところが例年の健康診断を7月に受けましたところ、すい臓に腫瘍が見つかりました」と報告。予期しなかった病の発見に驚く心境をつづった。

 三津五郎は、日本舞踊坂東流の家元で踊りの名手でもあり、お茶の間には前妻が元フジテレビアナウンサーの近藤サト(45)だったことでも知られる。7月末に健康診断を受けた後、東京・歌舞伎座の8月公演「納涼歌舞伎」に2~24日まで出演。関係者によると、公演期間中に周囲に体調不良を漏らすこともあり、「食欲が落ちているようだ」と心配する知人もいたというが、通院しながら務め上げた。「納涼…」は、昨年12月に他界した盟友・中村勘三郎さんと立ち上げており、周囲から「“勘三郎さんの分まで”という気持ちだったのではないか」との声も上がっている。

 昨年12月に中村勘三郎さん、今年2月に市川団十郎さんが相次いで亡くなった歌舞伎界にとって、また1人、人気俳優が闘病生活を余儀なくされることに衝撃を受ける関係者、ファンは多い。三津五郎はファクスで、「早期発見できたことは、すい臓の病気としては大変幸運なことだそうです」と強調。「この病気のさらなる検査、完治に向けての治療のため、しばらく三津五郎にお時間をちょうだいしたく存じます」と強い思いを伝えた。

 「九月大歌舞伎」で三津五郎が演じる予定だった役は、中村橋之助(47)、中村翫雀(54)、市川左団次(72)が務める。9月27日の「歌舞伎座特別舞踊会」(歌舞伎座)も休演が決定。10月以降の出演は未定という。

 ▽すい腫瘍 すい臓の腫瘍のほとんどは、最も表面にある上皮と呼ばれる組織から発生。すい液を運ぶすい管の上皮に発生する「浸潤性すい管がん」(いわゆるすいがん)や、?胞性腫瘍、すい管内腫瘍、内分泌腫瘍などに分類される。?胞性腫瘍などは良性であることが多い。初期は自覚症状がない場合が多いが、倦怠(けんたい)感やみぞおち付近の痛みなどを感じることがある。

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2013年8月27日のニュース