BPO、フジテレビの中2自殺報道を問題視「人権への配慮欠く」

[ 2013年8月9日 15:14 ]

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は9日、大津市の中2男子自殺で、フジテレビ(東京)が加害者とされる少年の名前を記した文書をモザイク処理せずに放送したことについて「放送倫理上問題がある」とする決定を発表した。

 決定によると、フジは昨年7月5日と同6日、「スーパーニュース」で、自殺した中2男子生徒の遺族が生徒をいじめたとされる少年らと市に損害賠償を求めた訴訟について報道。その際、遺族側が裁判所に提出予定だった文書の一部をモザイク処理せずに放送し、少年の名前が分かる静止画像がインターネット上に流出した。

 放送された映像はそれぞれ1秒未満、2秒弱と短時間で、通常の状態で名前を読み取るのは困難だったが、委員会は近年、録画機器の性能が高度化している点を重視。「静止画像にすれば氏名が判読できる映像を放送した点で人権への適切な配慮を欠いた」と判断した。

 少年側が昨年9月、「プライバシーを侵害された」などとして、委員会に申し立てていた。

 フジテレビ広報部は「決定を真摯に受け止め、再発防止に努めたい」とコメントしている。

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2013年8月9日のニュース