寺島しのぶ「若松孝二監督もここに…」 遺作映画初日

[ 2013年3月10日 06:00 ]

映画「千年の愉楽」舞台あいさつでイケメンに囲まれ笑顔の寺島しのぶ

 昨年10月に急死した映画監督の若松孝二さん(享年76)の遺作「千年の愉楽」が9日、初日を迎えた。都内で行われた舞台あいさつには寺島しのぶ(40)井浦新(38)佐野史郎(58)ら出演陣が出席。故人への思いを語った。

 10年のベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した「キャタピラー」を含む若松組3作目だった寺島は黒い服で登壇。「監督もここにいらっしゃる」と思いをはせ、「監督はスタッフ、役者を包みこんでしまう大きな海のような優しいボスでした」としのんだ。

 撮影が行われたのは一昨年11月。その時に監督から「僕の映画に出た人は必ず子供が生まれる。人間は鬼気迫るものを感じると子供ができるんだ」と妊娠を予告されていたことを明かした。第1子となる長男を出産したのは昨年9月。妊娠が明らかになった時には「監督が喜んでくれて一番最初に電話をくださった」と振り返った。

 すると、2児の父親の井浦が「自分もそうでした」と、子供ができたのは若松組参加後だったことを告白。佐野も「僕も“寝盗られ宗介”の時でした」と続いた。待望の子宝を呼んでくれた監督に、寺島は「子供に関しても本当に感謝してます」としみじみ語った。

 一方、5作連続で若松作品に出演していた井浦は、形見分けとして遺族から贈られた監督愛用のマフラーを着けて登壇。スーツにネクタイ姿で「この作品が公開される映画館は自分にとって聖域のような場所。あえてネクタイをしてきました」と話した。初日舞台あいさつの進行をするのが恒例だった若松監督の代役を務めた佐野は「監督の体はここにないけれど、魂はスクリーンの中に入っています」と語りかけた。

 ほかに高岡蒼佑(31)高良健吾(25)染谷将太(20)が出席した。

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