文枝襲名の秘話語る ありがとう藤本義一さんの会

[ 2013年1月24日 06:00 ]

藤本義一さんをしのぶ「ありがとう義一さんの会」であいさつする桂文枝

 昨年10月に79歳で亡くなった作家の藤本義一さんをしのぶ「ありがとう義一さんの会」が23日、大阪市内で営まれ、約330人が出席した。40年以上親交があった落語家の桂文枝(69)は「先生は私に力を貸していただきました」と感謝の気持ちを言葉に込めた。

 昨年6月、文枝襲名を控え、思い入れの強かった三枝の名との別れに迷いがあった時期に藤本さんから「男は振り向くな すべては今」と書かれた色紙を贈られた。この日は、“贈呈秘話”を披露。「統紀子夫人が6、7枚の色紙を持ってきて“どれがええ?”と。先生は残念ながら病院にいらっしゃいましたが、“やっぱり、それを選んだか”と喜んでくれました」と明かし、「襲名はベストな選択だったんだと確認させてもらっております」と頭を下げた。

 藤本さん原作のドラマ「蛍の宿」(88年、読売テレビ)で織田作之助を演じたことにも触れ、「オダサクを題材とした落語を作りたいとアドバイスを求めてました。いつか先生に喜んでいただける仕事をしたい」と、藤本さんのための創作落語を誓った。

 一方、藤本さんの直木賞受賞作の映画版「鬼の詩(うた)」で主演を務めた落語家の桂福団治(72)は、追悼落語会を3月1日に天満天神繁昌亭で開催することを発表した。

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2013年1月24日のニュース