勘三郎さん密葬 天使の紙吹雪「中村屋!」の声に包まれ出棺

[ 2012年12月12日 06:00 ]

天使をかたどった紙吹雪が舞う中、参列者たちが車に中村勘三郎さんのひつぎを運ぶ

 急性呼吸窮迫症候群のため5日に57歳でなくなった歌舞伎俳優の中村勘三郎(なかむら・かんざぶろう、本名波野哲明=なみの・のりあき)さんの密葬が11日、東京都文京区内の自宅で営まれた。歌舞伎俳優の松本幸四郎(70)、脚本家の宮藤官九郎(42)ら親しい関係者約500人が参列し、別れを惜しんだ。

 長男の中村勘九郎(31)と次男の中村七之助(29)の喪主2人は、早朝に「吉例顔見世興行」に出演するため京都・南座に向かった。息子たちと好江夫人の思いを込めたメッセージを、勘三郎さんと親交のあった野間脩平アナ(69、フリー)が代読。「短い人生でしたが彼は、父は楽しい人生、ステキな人生、格好いい人生を全うすることができた。彼を愛してくださった皆さまに、少しでも恩返しすることが、私たちの使命」と読み上げた。天使をかたどった白い紙吹雪が舞い上がり、中村座スタッフによる拍子木の音や「中村屋!」「十八代目!」の声に包まれて出棺。荼毘(だび)に付された。

 戒名は演暢院釋明鏡大居士(えんちょういんしゃくみょうきょうだいこじ)で、演劇を多くの人に広め、人の心を映し出したなどの意味。棺には生前に受け取った多くの手紙や、建て替え中の歌舞伎座(東京・銀座)の設計図、勘三郎さんや舞台スタッフの名前が書き込まれた所作板(舞台に敷く板)、夫婦の写真などが納められた。

 本葬は27日で、遺骨は歌舞伎座など、勘三郎さんゆかりの地を回ってから築地本願寺(東京都中央区)に運ばれる。

 ≪こんぴら歌舞伎金丸座に記帳所≫四国こんぴら歌舞伎大芝居推進協議会(香川県琴平町)は11日、勘三郎さんの弔問記帳所を、旧金毘羅大芝居(金丸座)と同町役場に設置すると発表した。12日から25日まで、午前9時から午後5時まで受け付ける。12日のみ午後1時から。

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