北野監督 ベネチア映画祭で会見“日本への怒り”で撮った

[ 2012年9月4日 06:00 ]

ベネチア国際映画祭のレッドカーペットに登場した北野武監督

 イタリアで開催中の第69回ベネチア国際映画祭で3日(日本時間同日夜)、コンペティション部門に選出された「アウトレイジ ビヨンド」(日本では10月6日公開)の北野武監督(65)が記者会見に出席した。

 「アウトレイジ」(10年)の続編で、暴力団組員の群像劇。エンターテインメント性の高さを強調し「自分が撮りたい映画より、観客のことを考えた」。徹底した暴力表現に笑いをにじませ「緊張する場面に笑いが悪魔のように忍び寄る。笑いは相当な悪魔」と苦笑いした。

 東日本大震災で撮影を1年延期したが「この一年、怒りを感じる部分があった。絆とか愛とか表面的なことばかりでイライラした。こんな時こそヤクザ映画を撮ろうという気になった」と挑発的。「イタリアはマフィアがいると聞いている。警察とヤクザの関係は世界共通。日本の警察も不祥事が多く何をしているのか…」と憂えた。

 コンペ部門の主要賞は8日(日本時間9日)の授賞式で発表される。

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2012年9月4日のニュース