米倉涼子 夢のブロードウェーで主役ロキシーつかんだ

[ 2012年3月16日 06:00 ]

ミュージカル「CHICAGO」でブロードウェーデビューが決まった米倉涼子。奥は振り付けのゲイリー・クリスト氏

 女優の米倉涼子(36)が15日、都内で会見し、米ニューヨークのブロードウェーでロングラン上演中のミュージカル「CHICAGO」に主演することを発表した。7月の1週間、主人公のロキシー・ハート役で全編英語の舞台に挑戦。アジア出身の俳優がアジア系でない米国人役を演じるのはブロードウェー史上初で、日本人の役者のロングランミュージカル主演も初めて。

 夢にまで見たブロードウェーでの主演が決定。米倉の目からは、自然と熱いものがこみ上げてきた。「シカゴは本当に大好きなミュージカルで、やる度に涙が出てしまうほど好きな作品。とにかくうれしい。大きなチャンスをいただけたので、多くの俳優や女優の夢を背負って、期待を裏切らないように頑張りたい」と、歓喜の涙を流した。

 08年10月に日本語版「CHICAGO」で初めてミュージカルに挑戦。殺人罪で収監され、メディアを利用して無罪を勝ち取ろうとする女性(ロキシー)を演じ、「私はCHICAGOをやるために生まれてきたんじゃないか」と思うようになった。10年6月の再演時には、ブロードウェーキャストのアムラ・フェイ・ライトと共演。「本場の舞台に立つには英語力が大切」とのアドバイスを受け、可能性を信じ、ドラマの撮影など多忙なスケジュールの合間に、英語やダンスのレッスンを多い時は週4回、続けてきた。

 再演後は、「CHICAGO」の上演を取り仕切る米国のクリエーティブ・チームに“本場デビュー”をアピール。11年8月からは、シーンごとの英語のセリフやダンスを撮影したビデオを送るなどの同チームの審査をクリアし、今回の出演につなげた。送ったビデオは、15~40分のものが計7本。「夢を口に出し、アピールしていけば、かなうんですね」と声を弾ませた。

 今後は、4~6週間、ブロードウェーで“缶詰め”になっての稽古を行う予定だが、「稽古はつらいけど楽しい。頑張れば頑張るほど身になるので、楽しみます」と笑顔。本番に向けて「たぶん真っ白になってしまうと思う。とにかく私の体、心の中から出てくるロキシーを見せられたらいいなと思う。日本人女性がCHICAGOでアジア人としても初めてロキシーを勝ち取る、その誇りを持って、行きたいなと思います」と意気込んでみせた。

 ▽CHICAGO 1920年代の米国で起きた殺人事件をもとに75年にブロードウェーで初演。96年に再演されたリバイバル版がロングランとなり、現在まで6000回以上の上演を重ねている。自分を見捨て た愛人を殺害して刑務所に入った売れない若手女優のロキシーが、悪徳弁護士ビリーの力を借りて正当防衛の悲劇のヒロインとなり、刑務所仲間のヴェルマとのコンビで売り出すという物語。02年の映画版はアカデミー賞作品賞などを受賞。

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