倍賞千恵子 「おばちゃん」に贈ったアカペラ唱

[ 2012年2月20日 06:00 ]

弔辞を読んだ倍賞千恵子は、別れの歌として自身の楽曲「忘れな草をあなたに」を歌う

 老衰のため13日に90歳で死去した女優の三崎千恵子(みさき・ちえこ、本名宮阪トシ=みやさか・とし)さんの葬儀・告別式が19日、神奈川県藤沢市のカルチャーBONDS藤沢で営まれた。映画「男はつらいよ」シリーズで共演した女優の倍賞千恵子(70)は「とらやの大黒柱がいなくなり寂しい」と弔辞を読み、自身の「忘れな草をあなたに」を歌い別れを惜しんだ。

 倍賞は弔辞の最後に銀縁のメガネを外すと、71年にリリースした「忘れな草をあなたに」をアカペラで歌った。離れ離れになる人に、自分を忘れないでほしいという思いを込めた歌。「おばちゃんが入院中も私の歌をテープで聴いていたと聞きました。きょうは泣かずに最後まで話し、生で歌おうと思って来ました」と気丈に話したが、こらえ切れず嗚咽(おえつ)する場面も。最後の一節を変え「忘れな草を、おばちゃんに、おばちゃんに…」と歌い上げると、参列者のすすり泣きの声が響いた。

 「男はつらいよ」では故渥美清さん演じる「寅さん」こと車寅次郎の妹さくら役で、三崎さん演じる「おばちゃん」とは“親戚”。温かく、大きな存在感を懐かしみ「いつかこんな俳優さんになりたい、おばちゃんの後を継ぐのは私かなと思っていました」と話した。

 この日はさくらの長男・満男役の吉岡秀隆(41)、77年公開のシリーズ第20作のマドンナを演じた藤村志保(73)ら約200人が参列。レギュラー俳優陣の多くが他界したことに、倍賞は「残っているのは前田吟さん、佐藤蛾次郎さん、吉岡くん、そしてあたし。とらやの大黒柱のおばちゃんがいなくなり、とても寂しいよ」と肩を落とした。おばちゃんの夫「おいちゃん」役の森川信さん、松村達雄さん、下条正巳さんも、シリーズ全48作に携わったカメラマン高羽哲夫さんも死去。残された寂しさをこらえ「おばちゃん。一人じゃないから。高羽ちゃん、御前様(故笠智衆さん)、おいちゃん、おにいちゃんもいるからね。お世話になりました。ありがとう」と感謝の言葉で締めくくった。

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