最後の言葉は「ありがとう」 入川さん 主演映画公開待たず…

[ 2011年12月25日 08:38 ]

11月10日に72歳の誕生日を迎え、喜びの会見を行っていた入川保則さん

 3月に末期のがんのため余命半年と告白していた俳優の入川保則(いりかわ・やすのり、本名鈴木安則=すずき・やすのり)さんが24日午後3時20分、直腸がんのため神奈川県厚木市の病院で死去した。72歳。遺作となった主演映画「ビターコーヒーライフ」(監督横山浩之)の来年5月12日公開を待つことなく帰らぬ人となった。

 みとったのは長男の正則さん。23日から言葉を発することができず、22日に正則さんが「帰るよ」と言って病室を出た時に「ありがとう」とか細い声で答えたのが最後の言葉だった。

 「ビター…」は末期がん判明後、周囲が“最後の花道”として用意。入川さんは脚本製作にも参加し、元警視庁捜査1課刑事で末期がんの喫茶店マスター役を演じた。「被災地の力になれれば」と、9月1日から11日間、福島県白河市で撮影。10月に同市で行われた特別披露試写会にも出席した。

 事務所社長が24日朝に見舞った際、「ビター…」の公開日と1月に完成披露を行うことが決まったことを告げると、うれしそうな表情を見せていたという。

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2011年12月25日のニュース