被災児童の疎開受け入れ、倉本聡氏代表でプロジェクト

[ 2011年4月16日 06:00 ]

 北海道富良野市在住で、人気ドラマ「北の国から」の脚本家、倉本聰氏(76)が15日までに、東日本大震災で被災した小中学生の集団疎開を受け入れる団体を立ち上げた。

 市内の一般家庭にホームステイさせるというもので、団体名は「被災学童集団疎開受け入れプロジェクト」。地元住民とともに今月3日に発足させた。倉本氏が代表を務める。

 太平洋戦争中、東京都から山形県への集団疎開を経験しており「苦境を助け合うことで新しい人間関係を築けた。優しい人間と豊かな自然に囲まれた富良野で子供たちの力になりたい」と話しているという。

 プロジェクト事務局によると、倉本さんが12日、福島県の地元紙で呼び掛けたところ「同年代の子がいる家庭にホームステイさせたい」「原発事故の影響のないところに疎開させたい」との問い合わせが相次いだ。現在、申し込みは10数件あるという。

 これに対し、これまで約20家庭が受け入れを申し出ている。十勝や旭川など、市外からも申し出がある。学校のクラスやクラブの仲間同士での避難も可能。両親ら親族の受け入れも相談に応じるという。

 今月下旬にも受け入れを始める予定で、期間は定めない。倉本氏と30年来の親交がある同プロジェクトの事務局長、浦田吉さん(57)も受け入れを希望しており「被災地の子供たちと富良野の子供たちの心と心の発展につながれば」と期待している。

 「北の国から」は今年、放送開始30周年の節目。プロジェクトを通じて、同ドラマをほうふつさせるヒューマンドラマが生まれるだろうか。

 問い合わせは同プロジェクト事務局=(電)0167(22)3216。

続きを表示

2011年4月16日のニュース