キムタクも演説 「相棒」にも登場 ドラマロケで大人気の社民党本部ビル

[ 2011年1月11日 08:25 ]

ドラマのロケで多く使われている東京・永田町の社民党本部

 社民党が東京・永田町の党本部をテレビドラマなどのロケに貸し出している。これにまつわる昨年の賃貸収入は123万円。党財政全体からすれば微々たる金額とはいえ「宣伝になる」(幹部)と効果に期待している。

 国会近くの本部ビルは地上7階地下1階。党の関連事務所は2階と4階に集中しており、建物を管理する財団法人「社会文化会館」は、3階の会議室(3部屋)と多目的ホール(688席)を、一般の会議やロケに貸し出している。

 昨年撮影したのは「銭ゲバ」(日本テレビ系)「相棒」(テレビ朝日系)など約30本。旧社会党時代にも撮影は行われていたが、数年前からテレビ局関係者の口コミで急増したという。

 旧社会党時代は「55年体制」の一角を担い、自民党と対峙したが、近年は大幅に議員数が減少。本部施設に余裕ができたことも背景にある。

 ロケでは会議室を警察署の取調室に見立てたり、廊下や屋上、玄関前などでも撮影。2008年には「CHANGE」(フジテレビ系)で、俳優の木村拓哉演じる政治家が多目的ホールで演説した。

 会館事務局は「築47年のレトロな雰囲気が重宝されているようだ」と分析。党幹部は「党本部がいい映画やドラマ撮影の役に立つならうれしい」と歓迎する。

 党側は料金も一般的な相場より低めだと説明。180人が入れる会議室を平日午前9時から午後9時まで借りると12万6000円だ。撮影時間によって柔軟対応もしている。

 社民党本部の敷地が国有地で、土地の賃借料が比較的安いのが強み。社民党本部ビルの敷地は約1700平方メートルで賃借料は年間3390万円(1平方メートル当たり1万9千円)。

 同じ町内ながら民間ビルを借りる民主党本部は床面積約2900平方メートルで約1億4000万円(同4万8000円)だ。

 ちなみに自民党本部の敷地も国有地のため、約3300平方メートルで8970万円(同2万7000円)。自民党は議員数が多いので空きスペースは少なく、ロケを呼び込める状況ではない。

 財務省理財局によると社民、自民両党本部は1964年東京五輪の際、道路拡張で立ち退き対象となり現在地に移転。賃借料は3年ごとに不動産鑑定士の意見を聞いて改定しているが、継続使用のため割安になると説明している。

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2011年1月11日のニュース