安西氏 NHK経営委への不信頂点「風評だけで私を評価」

[ 2011年1月11日 12:56 ]

記者会見する前慶応義塾長の安西祐一郎氏

 NHK次期会長就任を受諾していた前慶応義塾長の安西祐一郎氏(64)は11日、東京・渋谷のNHK放送センターで記者会見し、NHK経営委員会(小丸成洋委員長)への不信感を理由に会長就任を拒否したことを明らかにした。24日に福地茂雄会長の任期満了を控え、経営委は12日に人選の再協議を余儀なくされ、混乱を招いた小丸委員長の責任を追及する声も上がっている。

 安西氏に対しては、経営委が一転、就任を辞退するよう申し入れていたことが判明。安西氏は会見で「小丸委員長、経営委に対する不信は頂点に達した。一貫した姿勢を全く持たない経営委では、私が会長に就任してもNHKを良くするのは困難」と批判した。

 関係者によると、安西氏が就任受諾に当たって、人事や待遇に条件を付けたとの情報が経営委に広まり、会長任命を不安視する意見が強まっていたが、安西氏は「条件を提示した事実はない。経営委員が中傷を含む風評だけで、私を評価するようになった」と述べた。

 安西氏の拒否を受け、経営委は11日、あらためて会長人事について協議。小丸委員長は記者会見で「安西氏には大変ご迷惑とご心配をお掛けした。24日までに早い時点で(次期会長を)決めたい」と謝罪。「思わぬことで全く予期していなかった。甘いと言われればそうだと思う」と述べた。

 会長人事をめぐっては、昨年12月の経営委で、安西氏や前早稲田大総長の白井克彦氏(71)、日本郵船会長を務めた草刈隆郎氏(70)らが候補に挙がり、委員の推薦が多かった安西氏に就任を要請。安西氏は12月末に受諾の意向を伝えていた。

 会長任命は、経営委員12人のうち、9人以上の賛成が必要。

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2011年1月11日のニュース