紅白初出場のクミコ 動画サイトで生ライブ

[ 2011年1月4日 06:00 ]

 昨年大みそかの「第61回NHK紅白歌合戦」に初出場し「INORI~祈り~」を熱唱したクミコ(56)が、4日正午から、動画サイト「Ustream」でライブを生配信する。広島で被爆した少女について歌った同曲などを全世界に向けて発信。さらに、ニューヨークの国連で歌う計画も進んでいる。

 折り鶴が1000羽に届けば暖かい家にまた戻れる――「INORI~祈り~」は、広島で被爆し白血病のため12歳で死去した佐々木禎子さんの思いが詰まった1曲。
 昨年2月24日に発売された同曲は、発売から約2カ月たった5月にUSEN総合チャートで1位になるなど、じわじわと浸透。「原爆の子の像」のモデルにもなった禎子さんの心情を切々と訴えるクミコの歌唱にも大きな注目が集まった。
 紅白出場が決まった昨年11月末ごろから、クミコは「この歌のメッセージを世界の人にも届けたい」と思うようになり、その方法を模索。スタッフが大がかりな機材や中継システムが必要ない「Ustream」を提案し、実現に至った。4日の初ライブは渋谷のオフィスから、ギター奏者と2人で約30分間のパフォーマンス。海外の視聴者を意識し「INORI」の歌詞や曲の背景を英語字幕で説明する。クミコは「最初は視聴者が少なくてもいい。続けていけば必ず願いは通じるはず」と話しており、1カ月に1回のペースで配信する予定だ。
 国連で「INORI」を歌う計画も進行中だ。同曲を通じて親交を持った、ロサンゼルス在住の被爆者で平和活動家の笹森恵(しげ)子さん(78)が「各国の要人にも聴いてもらいたい。国連関係者にアプローチする」と協力を約束。ジョン・V・ルース駐日米国大使に手紙と同曲CDを送るなど、独自の活動を始めている。
 「INORI」の輪が静かに世界に広がっている。クミコもあらためて同曲の重みをかみしめており、「紅白の舞台から今度は世界へ“愛の連鎖のメッセージ”を届けたい」と話している。

 ▽Ustream(ユーストリーム) イラク駐留米軍兵士と本国の家族とのコミュニケーションツールとしてスタートした動画ライブ機能。07年3月に一般向けサービスを開始。インターネットとカメラがあれば世界中への生放送が可能。

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2011年1月4日のニュース