なんと!キアヌ主演で「忠臣蔵」リメーク

[ 2010年10月2日 06:00 ]

 人気時代劇「忠臣蔵」が米ハリウッドでリメークされる。「マトリックス」シリーズのキアヌ・リーブス(46)が主演し、タイトルは「47Ronin」。リーブスは四十七士の1人となる架空の侍を演じ、大石内蔵助らほかの四十七士などは日本人俳優の中からオーディションで選ぶ。主要キャストのほとんどを日本人が占める、異例のハリウッド作品になる。

 「忠臣蔵」といえば時代劇の決定版。ハリウッド製作の時代劇では03年に「ラスト サムライ」で渡辺謙(50)が世界的スターの仲間入りをしただけに、今回世界に“討ち入り”する日本人俳優から新たなスターが誕生しそうだ。
 米ユニバーサル・ピクチャーズ配給で2012年公開。製作は「レボゼッション・メン」のスコット・ストゥーパー氏が担当し、監督はCM出身の気鋭で日本で生活したこともあるカール・リンシュ氏。「ワイルド・スピード」シリーズのクリス・モーガン氏が脚本を手掛ける。
 大石ら47人の“浪人”が主君の敵を討つため戦うという根幹は変わらないが、主演のリーブスは戦いの中で四十七士の1人として認められるハーフの侍、ヒロを演じる。武士道精神を描きながら、浅野内匠頭の娘として登場する架空のキャラクター、ミカとの恋も描かれるなどエンターテインメント性に富んだ作品になりそうだ。
 日本人俳優をキャスティングする奈良橋陽子さん(63)はハリウッド版の製作に「日本の漫画、アニメが欧米で人気となり、海外配給される邦画も増えた。日本文化への関心が高まり、日本人の奥底にある武士道精神を取り上げてみようと思ったのでしょう」と説明する。四十七士は大石内蔵助、主税親子のほか、架空の相撲取りなどすべて日本人キャスト。内匠頭、ミカ、吉良上野介などを含めオーディションで決める。
 奈良橋さんは「ラスト…」「BABEL」(07年)などのハリウッド大作を担当。後にオスカー候補入りする渡辺、菊地凛子(29)らを世界へ送り出した。来週から始まるオーディションについて「有名無名を問わずたくさんの人と会いたい。アメリカの想像力と映画の技術、日本人の魂と演技力を見せる映画にしたい」と話している。

 ≪先駆けは「七人の侍」≫ハリウッドでリメークされた時代劇では、黒澤明監督「七人の侍」をモチーフにした「荒野の七人」(60年)、勝新太郎さん主演「座頭市」をモデルにしたが「ブラインド・フューリー」(89年)がある。ほかにリメークされた邦画では、山田洋次監督「幸福の黄色いハンカチ」が「イエロー・ハンカチーフ」(08年)、「ハチ公物語」が「HACHI 約束の犬」(09年)になった。

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2010年10月2日のニュース