芯の強い女性がはまり役 お茶の間で愛され続けた池内淳子さん

[ 2010年9月30日 13:45 ]

 「今後、いくつ舞台ができるか分かりませんが、これからが正念場。もっと冒険したい」。26日に死去した女優の池内淳子さんは、枯れない芝居への情熱をこう語っていた。

 1955年に映画デビュー後、柔らかな物腰の奥に強さや激情を秘めたイメージが定着。テレビの“メロドラマ”で主婦にブームを生み、高度成長期にスター街道を駆け上がった。

 その後は舞台にも力を入れ、有吉佐和子原作の舞台「三婆」には98年から主演。今年4月には通算400回を達成し「こんなに続くとはまったく考えていなかった。役者冥利に尽きます」と笑顔だった。

 テレビでは主人公の母親や祖母の役を好演。2003~04年に大ヒットしたドラマ「白い巨塔」では、主人公の外科医、財前五郎の母親役を演じ、優しくも凜とした存在感を示した。

 女優としてのキャリアと年齢を重ねるにつれ、役柄と演技の幅を広げ、息の長い女優人生を送った。

 「いい人、いい作品に巡り合え、仕事の場も与えてもらえる。年を取るのも悪くない」と話していた池内さん。お茶の間で愛され続けた、女優らしい女優が世を去った。

続きを表示

2010年9月30日のニュース