松ケン「ノルウェイの森」で映画祭1番獲る

[ 2010年9月3日 06:00 ]

2日、ベネチア国際映画祭で写真撮影に応じる(右から)トラン・アン・ユン監督と主演の松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子

 第67回ベネチア国際映画祭がイタリアのリド島で開幕し、コンペ部門に日本から出品された「ノルウェイの森」(12月11日公開)の出演陣が2日、記者会見に臨んだ。世界36の言語に翻訳されている村上春樹氏(61)の大ベストセラーを初映像化した話題作。主演の松山ケンイチ(25)は「1番を獲りに来た」と、最高賞の金獅子賞獲りを力強く宣言した。

 報道陣がベネチアで行きたい場所を質問した時だった。笑顔で「観光に来たわけじゃない。1番を獲りに来たんです」。昨年のトロント国際映画祭以来、2度目となる国際映画祭での大仕事に自信を見せた。
 この言葉に共演の菊地凛子(29)と水原希子(19)は、うなずいた。95年に「シクロ」で金獅子賞を受賞しているベトナム系フランス人監督のトラン・アン・ユン氏も続き「そう、遊びに来たわけじゃない。戦いに来たんです」と言い切った。
 意気込む裏には「日本代表」としての自負もある。87年に発売された小説「ノルウェイの森」はイタリア語でも翻訳されており、映画化には現地だけでなく世界中から注目が集まっている。06年のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた菊地は、今作について「昨年のカンヌ国際映画祭でも関心が高くて“撮影は進んでいるのか”と質問を受けました」と説明。その言葉を裏付けるように、この日の公式会見にも約150人の各国メディアが集まり、「これだけ海外の記者から質問が飛ぶ日本作品も珍しい」と現地関係者を驚かせた。
 日本時間3日未明(現地時間2日)には公式上映が控える。女優デビュー作となったファッションモデルの水原は「緊張で撮影中の記憶があんまりないくらい。完成品を客観的に見ることができるか心配」と苦笑い。松山は「今までたくさんの人が映像化を試みて何らかの障害で果たせなかった日本を代表する小説。それが今、映画となって世界中の人に見てもらえる。日本を代表する気持ちで来ました」と思いを語った。
 金獅子賞をかけたコンペ部門の受賞発表は日本時間12日。北野武監督の「HANA―BI」(97年)以来となる日本作品の獲得に期待がかかる。

続きを表示

2010年9月3日のニュース