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[ 2010年8月21日 06:00 ]

カタリーナ演出による「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の一場面(C)Bayreuther Festspiele GmbH /Enrico Nawrath

 また、一見ハチャメチャに見えるカタリーナの演出は作品の本質とバイロイトの歴史をシッカリと理解していないと決して共感できない作りとなっている。客席の側も試されているといえるコンセプト。わざと観客・聴衆を挑発するかのようなさまざま仕掛けが随所に施されており、それに乗せられてプレミエ時には嵐のように会場を席巻したブーイングが、今年はブラボーの歓声にかき消されるくらいにまで減っていたことにも驚かされた。単に慣れてきたのか、それとも上演の質が向上したのか、これもバイロイトならではの現象といえなくもないだろう。

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2010年8月21日のニュース