櫻井翔、ゴルビーにインタビュー“うならせた”

[ 2010年8月21日 06:00 ]

「嵐」櫻井翔がモスクワまで逢いに行ったゴルバチョフ氏

 「嵐」の櫻井翔(28)が、元ソビエト連邦共和国大統領でノーベル平和賞受賞者のミハイル・ゴルバチョフ氏(79)にインタビューした。日本テレビ「24時間テレビ33」(28、29日放送)の企画で、29日に一部地域を除いて放送される。「核軍縮」や「貧困問題」などについて率直に意見交換し、ゴルバチョフ氏を「あなたのようなしっかりとした若者と会えて良かった」とうならせた。

 7月下旬、モスクワにあるゴルバチョフ財団事務所で対面。櫻井はロシア語で「オーチン、プリヤートナ、ヴァス、ヴィーディチ(お会いできて光栄です)。ミニャー、ザヴート、ショウ、ファミーリヤ、サクライ(私の名前は櫻井翔です)」とあいさつした。
 これに対し、ゴルバチョフ氏はいきなり資料をひっくり返して「パン!」と大きな音を立てたかと思うと「テレビは抜きにして、君の意見を聞きたい」と強調。事前に決められたものでなく、率直な意見交換を望む姿勢を元政治家らしいパフォーマンスで示した。
 同財団の総裁を務めるゴルバチョフ氏は政治の表舞台から遠ざかっているとはいえ、昨年3、7月にオバマ米大統領と会談。米ロの核軍縮問題などについて議論し米側の意思をロシア側に伝えたとされるなど、核軍縮のキーマンの1人として注目を集める。櫻井はキャスターを務める同局「NEWS ZERO」で「世界平和への祈り」をテーマにさまざまな場所や人々を取材。核軍縮問題について認識を深めており対談を行うことになった。
 櫻井は「唯一の被爆国として軍縮についてどう考えているのかとても興味があります」などと語りかけ、民主化を進めたルーマニアの貧困問題についても質問。身を乗り出して話を聞く櫻井の姿に、ゴルバチョフ氏も「あなたのようなしっかりした若者と会えてよかった」と応じ、さらに「自分のことだけでなく、他の人の苦しみについて考えることができ助けたいと思う人々がさらに増えることを願ってます」などと身ぶりを交え、つばを飛ばしながら熱弁した。
 30分に及んだインタビュー。櫻井は「小学生のころ、ニュースで見ていた方にお会いできて光栄でした。次世代への期待をおっしゃっていたのが印象的でした」と感想を語った。

 ≪マンホール・チルドレンも取材≫櫻井はほかに、1989年に崩壊し、冷戦終結の象徴となった「ベルリンの壁」の現状をリポート。ルーマニアの首都ブカレストでは路上生活者や、マンホールの中で暮らす子供たちの実態を取材し、「東西冷戦を終え20年たった今、世界にどの様な変化が起きているのか。対岸の火事とも思えない状況から、日本の今を考えるきっかけをお伝えできたら」とコメントしている。

 ◆ゴルバチョフ氏は85年、史上最年少の54歳でソ連共産党の書記長に就任。「ペレストロイカ(立て直し)」を提唱し、社会主義体制の改革と民主化に取り組んだ。東欧諸国の民主化にも介入せず、冷戦終結に大きな役割を果たしたとして90年、ノーベル平和賞受賞。同年、ソ連で最初で最後となる大統領に就任した。しかし、91年、保守派によるクーデターで失脚。92年、ロシアと国際社会が直面する経済的、政治的な問題の分析を目的としたゴルバチョフ財団を設立した。

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2010年8月21日のニュース