「特捜最前線」で刑事熱演、夏夕介さん逝く

[ 2010年1月28日 06:00 ]

都内病院で死去した俳優の夏夕介氏

 ドラマ「特捜最前線」などで活躍した俳優の夏夕介(なつ・ゆうすけ、本名田浦久幸=たうら・ひさゆき)さんが27日午前、胃がんのため都内の病院で死去した。59歳。熊本県出身。早すぎる死に親族や関係者は悲嘆に暮れた。

 俳優生活40周年という節目の年に夏さんは亡くなった。
 関係者によると、ここ数年は舞台を中心に活躍していたが、昨年秋に体調を崩して検査したところ、胃がんが見つかった。同年11月に摘出手術が行われたが、すでにかなり進行しており、手遅れの状態だったという。
 高校卒業後の69年に、グループサウンズ「オックス」のキーボード担当として芸能界デビューを果たした。翌年、夏夕介の名前で俳優に転身し、映画「野良猫ロック・ワイルド・ジャンボ」やドラマ「純愛山河 愛と誠」など数多くの作品に出演。77年にスタートしたドラマ「特捜最前線」(テレビ朝日系)に80年から加入し、刑事役を熱演した。
 スターへの道を順調に駆け上がる一方、96年には耳の周りに痛みを伴う疱疹(ほうしん)ができる「ハント症候群」を患い、俳優業を一時休止。00年に演出家の三浦克也氏と「劇団シアタージャパン」を立ち上げ見事復活を果たしていた。
 妻は「特捜…」で共演した元女優の伊藤めぐみさん。長女で宝塚歌劇団宙組の娘役・愛花ちさきはこの日、父親の死を知りながら東京宝塚劇場の舞台「カサブランカ」に出演。劇場関係者によると、終演後に外から電話で、父親の死を劇場側に連絡。その後、都内の自宅に戻り、父親と悲しみの対面を果たした。公演は28日も予定通り出演するという。

 夏 夕介(なつ・ゆうすけ)  1950年(昭25)10月30日生まれ、熊本県出身。高校卒業後の69年、バンド仲間の和田アキ子のプロデビューをきっかけに上京し、GS「オックス」としてデビュー。解散後の70年に俳優に転身し、ドラマ「愛と誠」「赤い絆」、映画「トラック野郎一番星」「野性の証明」などに出演。

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2010年1月28日のニュース