虚偽?手違い?黒沢明財団 寄付金に1億円の食い違い

[ 2010年1月27日 12:52 ]

 佐賀県伊万里市に「黒沢明記念館」を建設するため設立された「黒沢明文化振興財団」が、建設資金などに充てるため集めた寄付について、同市に昨年11月「約3億8千万円」と報告した一方で、県に毎年提出している決算報告書では計約2億8千万円とし、約1億円の食い違いがあることが27日、分かった。

 さらに2007年度報告書によると、財団には現金、預金などの流動資産が約143万円しかないことも判明したが、市には「寄付金はそのまま残している」と説明。佐賀県と伊万里市は食い違いに戸惑い「虚偽か手違いか分からないが、事実関係を確認したい」としている。
 県によると、寄付金は財団設立の1999年11月から07年度末までの合計。寄付金はすべて報告する必要があるが、使途は報告義務がない。07年度末の財団の総資産は約1億3994万円。負債が約5014万円で、純資産は流動資産約143万円を含めて約8980万円だった。
 財団は取材に対し「資金管理をしている担当者が不在で、今は分からない」としている。黒沢監督は映画「乱」の撮影の際に訪れた伊万里市を気に入り、記念館の希望地に選んだ。当初のオープン予定は01年だった。

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2010年1月27日のニュース