役者魂!西島隆弘 パンチラの嵐でも“無反応”

[ 2010年1月20日 06:00 ]

毎日映画コンクール、スポニチグランプリ新人賞を受賞した西島隆弘。東京の街並みを背に受賞の喜びをあらわした

 2009年(第64回)毎日映画コンクールの各賞が19日、決定した。09年の映画界でめざましい活躍を見せた若手を選出するスポニチグランプリ新人賞は、ともに「愛のむきだし」(監督園子温)で好演した西島隆弘(23)、満島ひかり(24)に決まった。表彰式は2月8日、川崎市の「ミューザ川崎シンフォニーホール」で行われる。

 「ひかりちゃんはどう思ってるか分かりませんが、2人で受賞できて僕は本当にうれしい」
 映画初出演で初主演。おまけに個性派・園子温監督(48)の3時間57分の大作。キリスト教神父の父親の気を引こうと盗撮に走る高校生ユウ役。満島演じる女子高生ヨーコと出会うことで、彼女への愛をむき出しにしていく。懺悔(ざんげ)室での無機質な顔、アクロバチックな動きで女性の股間に迫る盗撮男、「女囚さそり」シリーズの梶芽衣子を連想させる黒い衣装の女装――。華麗な七変化は、映画デビューとは思えない度胸の良さを感じさせ、強烈な印象を残した。
 撮影現場では園監督の“ダメ出し”がなく不安に感じることもあったが、ユウとヨーコの感情のぶつかり合いについて満島と徹底的に話し合うことで払しょく。そんな“戦友”との受賞だけに喜びは2倍となった。撮影現場ではあちこちでパンチラが見られたが、股間は全く反応せず。それほど映画に集中していた。
 「演技には興味もなかったし、好きでもなかった」という。03年、エイベックスのオーディションに合格。音楽のほか演技のレッスンを受けた。「歌って踊りたいのに、何でこんなことしてるんだ、と思ってました」と振り返る。7人組音楽ユニット「AAA(トリプル・エー)」として活動していた07年、メンバー全員で舞台に出演。「ラストシーンでお客さんが泣いてくれたんです。そのはなをすする音を聞いたとき“あれ気持ちいいぞ。演じるって、音楽と同じライブなんだ”と、ビビビッと感じた」という。その直後、今作の出演オファーが舞い込んだ。
 「歌を歌うことと、せりふを言うことは、僕の中では同じです」と、今後、俳優業にも力を入れていくことを宣言。「がむしゃらに演じていても、“余裕っすよ”“こんなこと普通にできますから”と言える領域にまで達したい。もう少し大人にならなきゃいけないってことですね」。まだあどけなさの残る顔で笑った。

 ◆西島 隆弘(にしじま・たかひろ)1986年(昭61)9月30日、札幌市生まれの23歳。地元で音楽活動後、05年に音楽ユニット「AAA」を結成。メーンボーカルを務める。同年、第47回日本レコード大賞の最優秀新人賞受賞。1メートル70。血液型O。

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2010年1月20日のニュース