満島ひかり 監督に全否定されて…反骨心が原動力

[ 2010年1月20日 06:00 ]

09年毎日映画コンクール、スポニチグランプリ新人賞を受賞した満島ひかり

 【09年毎日映画コンクール・新人賞】満島ひかりは「自分が表現したかったものを、人から“良かったよ”と言われるのはうれしい」と話し、西島ともどもの受賞に「毎コンはやりますね」と喜びもひとしおだ。

 西島演じるユウが出会う運命の女ヨーコ。盗撮被害、同性愛、そして新興宗教団体の接近と、次から次へと押し寄せるシチュエーションの変化にも体を張って対応し、まるでヨーコが乗り移ったかのような凄みを感じさせた。4時間近い恋愛叙事詩。その真ん中でリアルに生き続けた。
 1カ月半の撮影現場は戦場だった。園監督からは「おまえのすべてがだめ」と厳しい言葉を投げかけられたが、「大人たちに私の感情なんか理解できない」とわいてくる反抗心で乗り越えた。「(監督を)無視したり、物を投げたり、“監督の読みが甘いんですよ”と大泣きした日もあった。でもそれが監督の狙いだったのかも…」
 11歳で芸能界入りしてから、女優にあこがれていた。音楽ユニット「Folder」のメンバーとしてデビューした97年には映画「モスラ2 海底の大決戦」で銀幕初出演も飾っている。大画面に映し出された自分の顔に「いけるかもって。それからずっとお芝居がしたかった」と振り返る。
 それでも活動の中心は音楽だった。「アイドルということもあって自分たちから何かを発信できるという状態じゃなかった」と物足りなさを感じていたのは事実。だから女優に転身した今、その間にため込んできたものを思いっきり解き放っている。
 目標を聞くと、「女優じゃなくてもいいかなあ」と衝撃発言が飛び出した。子どもの頃のあだ名は「ブン子(文庫)」。「本が好きで物語をつくる方がいいなと思っていた。(自分の書いたものが映画化されたら)楽しいんですかねえ」と夢を膨らませる。そんな日が確かに訪れそうだ。

 ◆満島 ひかり(みつしま・ひかり)1985年(昭60)11月30日、沖縄県生まれの24歳。沖縄アクターズスクールに在籍し97年「Folder」のメンバーとしてデビュー。05年に女優に転身。今年は「カケラ」(監督安藤モモ子)などが公開。身長1メートル62。血液型A。

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2010年1月20日のニュース