松ケンが男優主演賞!津軽弁で故郷に錦飾る

[ 2010年1月20日 06:00 ]

このスラッとしたプロポーションで流暢な津軽弁を話す松山ケンイチ

 累計700万部を超える山崎豊子さんの大ベストセラーを若松節朗監督(60)が魂を込めて映画化した「沈まぬ太陽」が日本映画大賞に輝いた。男優主演賞にはいちずな愛に身も心もささげた「ウルトラミラクルラブストーリー」の松山ケンイチ(24)、女優主演賞には「のんちゃんのり弁」でヒロインとさわやかに同化した小西真奈美(31)がいずれも初の栄冠。田中絹代賞は高橋惠子(54)が受賞した。【新人賞は終面】

 「出身の青森を舞台にした作品で受賞できて、僕自身も認められた感じがして幸せ」
 全編津軽弁の「ウルトラミラクルラブストーリー」は、同郷の横浜聡子監督(31)と慣れ親しんだ土地で撮影。同じ青森でも、下北弁が染みついた松山は、方言指導を受けて参加し、見事に故郷に錦を飾った。
 農業を営む青年、陽人を演じた。東京から来た美女(麻生久美子)と出会い、初恋を経験。自分の体を畑に埋めるなど風変わりな性格ながら、思いを素直に伝えようとするいちずさを表現。「(陽人の)好きなことを好きなときにやっている感じを大切にした。自分でいろいろ試してみた感覚は今までで一番あった」と振り返り、横浜監督の独特の作品世界に溶け込んでみせた。
 01年に上京。「とりあえず東京に行けば何かあるんじゃないか」と故郷を飛び出した16歳は、今や「松ケン」の愛称が定着。個性的なキャラクターを演じ分ける日本映画を支える一人となった。
 昨年公開の「カムイ外伝」で挫折も味わった。撮影中に全治3週間のケガを負い、撮影を半年以上中断させた。「悔しかった。自分がケガをしたらたくさんの人に迷惑をかけてしまう。主演をやらせてもらう人の責任をいつでも持ち続けないといけない」と映画全体を考えるようになった。
 「今は力が入った芝居しかできてないと思うので、力を抜くという感覚が分かるとまた違ったお芝居ができると思う」
 やってみたい役を聞くと、「木とか石とか…」とくすり。“進化”する松ケンだ。

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2010年1月20日のニュース