のらりくらりの押尾容疑者…1月4日にも再逮捕へ

[ 2009年12月29日 06:00 ]

 一緒にマンションの部屋で合成麻薬MDMAを服用して死亡した飲食店従業員田中香織さん=当時(30)=に適切な救命措置を取らなかったとして、警視庁捜査1課は元俳優押尾学容疑者(31)を年明け早々にも保護責任者遺棄容疑で再逮捕する方針を固めた。一方、東京地検は28日、田中さんにMDMAを渡したなどとして麻薬取締法違反(譲渡、譲受)の罪で押尾容疑者を起訴。押尾被告は年末年始を拘置されている警視庁東京湾岸署で迎えることになる。

 押尾被告はMDMAを使用した麻薬取締法違反の罪で懲役1年6月、執行猶予5年とした11月の東京地裁判決が確定。田中さんの死をめぐっては、MDMAを飲んで容体が急変したのに、3時間後に知人が119番通報するなど、適切な救護措置を怠ったとして警視庁が保護責任者遺棄容疑での立件に向けて捜査を進めている。早ければ来年1月4日にも再逮捕する見通しだ。
 押尾被告は28日に拘置期限を迎え、東京地検は起訴に踏み切った。薬物事件を主導したと判断したようだ。押尾被告とともに7日に逮捕されたネット販売業の知人、泉田勇介容疑者(31)も同法違反(譲渡)の罪で起訴した。
 また、押尾被告の元マネジャー遠藤亮平容疑者(28)は、田中さんの携帯電話を捨てたとして証拠隠滅罪で略式起訴され、28日に釈放された。東京簡裁は罰金20万円の略式命令を出した。
 起訴状によると、押尾被告は7月31日、東京・六本木ヒルズのマンション一室で泉田被告からMDMAの錠剤約10錠を譲り受け、8月2日に部屋で一緒だった田中さんに相当量の錠剤または粉末を渡した、としている。
 捜査関係者によると、泉田被告は「押尾被告から頼まれてMDMAを渡した」と容疑を認める供述をしているが、押尾被告は依然として容疑を否認している。押尾被告は、捜査員が複数の知人らから得た証言を突きつけても、のらりくらりとかわしているという。
 一部では28日にも再逮捕との見方もあったが、元東京地検検事の大澤孝征弁護士は「正月ぐらいは捜査員を休ませたいと一時休戦にしたのでしょう」と指摘。押尾被告が容疑を否認し続けているだけに「弁護側が保釈を求めても裁判所が認めないはず。仮に認められそうな雰囲気になったとしても、その時はすぐに再逮捕すればいい。弁護側もこの事情が分かっているはずだから、保釈請求はしないはず」とみている。現時点で保釈請求の動きはなく、年末年始は拘置施設で迎えることが濃厚だ。

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2009年12月29日のニュース