押尾容疑者再逮捕へ!譲渡の疑いで逮捕状

[ 2009年12月5日 06:00 ]

再逮捕されることになった押尾学容疑者

 合成麻薬MDMAを使用したとして麻薬取締法違反罪で有罪判決が確定した元俳優の押尾学容疑者(31)について、警視庁は4日、同法違反(譲渡)の疑いで逮捕状を取った。8月2日、東京・六本木のマンションの部屋に一緒にいて死亡した飲食店従業員、田中香織さん=当時(30)=にMDMAを譲り渡した疑い。押尾容疑者は逮捕後、薬物について「女性からもらった」と一貫して主張してきた。捜査1課は田中さんの死亡についても保護責任者遺棄容疑で捜査している。

 捜査1課はこれまでの捜査で、押尾容疑者が田中さん以外の第三者からMDMAを入手し、部屋に持ち込んだと判断した。これを田中さんが服用し、死亡したとみている。

 同課は押尾容疑者の元マネジャーの男性についても、田中さんの携帯電話を捨てたとして証拠隠滅の疑いで逮捕状を取った。また、ほか数人からも事情を聴く方針だ。

 押尾容疑者は先月2日、東京地裁から懲役1年6月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡された。執行猶予期間としては最長で、実刑の一歩手前。井口修裁判官は法廷での押尾容疑者の証言に「説明内容が不自然」「信用しがたい」と疑問を呈していた。

 警視庁は押尾容疑者の刑が確定した先月17日以降も、田中さんが死亡した経緯と押尾容疑者の行動に因果関係があるか捜査を続けてきた。捜査1課は、保護責任者遺棄容疑でも捜査している。
 検察は押尾容疑者が米ラスベガスから国内に持ち込ませたプラスチックの容器に薬物が入っていた可能性があるとみていた。関係者によると、この容器は押尾容疑者が自分では持ち帰らず、同地を訪れたマネジャーに「サプリメント」として運ばせ、帰国後すぐに入手している。
 10月23日の初公判では、押尾容疑者が田中さんに犯行当日、「来たらすぐいる?」という意味深なメールを送信していたことが判明。それまでMDMAは「(田中さんから)もらった」と一貫して供述し続けてきたが、自ら薬物を入手し所持していた疑いが浮上していた。それに対し、押尾容疑者は「“僕自身を要るか”という意味で“クスリが要るか”と聞いたわけではない」と、薬物使用を前提としたやりとりではないと否定した。
 押尾容疑者は約2年前と今年3月、7月にも渡米先でMDMAを使用。7月にはクリスという男から「Eを持っている」というメールを受け取っている。EはMDMAの別称、エクスタシーの意味。ほかにジョンという男にも「Eが大好きでファックしたいだけの女はいないか」と、性行為の際に薬物を使用していたことを示唆するメールを送っていた。押尾容疑者はこのメールについても「誰かが僕の代わりにメールを打った」などと釈明していた。
 ◆押尾 学(おしお・まなぶ)本名同じ。1978年(昭53)5月6日、東京都生まれ。4歳から8年間、米ロサンゼルスで過ごす。98年、ドラマ「愛、ときどき嘘」で俳優デビュー。02年に「LIV(リブ)」の名で歌手活動開始。05年12月に当時の所属事務所退社。一時、渡米するなど芸能活動も休止状態だったが、08年1月に仕事復帰。06年11月に女優の矢田亜希子と結婚、翌年11月には長男が誕生したが、今年8月の逮捕直後に離婚した。

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2009年12月5日のニュース