河口恭吾も歌った 反響続々亡き母から幼い娘への手紙

[ 2009年12月5日 08:40 ]

 脊髄(せきずい)のがんで昨年、36歳で死去した福岡県小郡市のテレニン晃子さんが病床で一人娘へのメッセージをつづった著書「ゆりちかへ」が、シンガー・ソングライターの手で歌になり、娘の柚莉亜(ゆりあ)ちゃん(3)の成長を願う手紙も続々と寄せられるなど反響を呼んでいる。

 妊娠中にがんと分かったテレニンさんは「自分の命か、赤ちゃんか」の選択を迫られ、2006年に出産。著書では、将来の友達づくりや恋愛について娘に助言し「どうして、あなたを残して死ななくてはいけないのか」と苦悩も記した。
 出版元の書肆侃侃房(しょしかんかんぼう、福岡市)は07年の初版以降、地方出版社としては異例の約7万部を発行。読者から「自分の娘と思って幸せを祈ります」(52歳女性)「しんでやるっておもってた。でもゆりあちゃんのママのおかげで、しんじゃうなんてバカバカしいっておもったの」(茨城県の中学生)…など、100通以上の手紙が届いたという。
 ヒット曲「桜」で知られる河口恭吾(35)は11月発売のアルバムに、テレニンさんの思いを歌った「キミに残す手紙」を発表。「生きたいという言葉が心に刺さった。命の瀬戸際で発せられた究極のポジティブメッセージだ」と話す。
 テレニンさんの夫でロシア出身のレオニドさん(40)は「共感してくれる人が多いのはうれしいこと」と話している。

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2009年12月5日のニュース