先輩ピーターパン復活で13年ぶりWキャスト

[ 2009年11月23日 06:00 ]

 1981年にタレント榊原郁恵(50)の主演で始まったミュージカル「ピーターパン」が来年7月、日本上演30周年を迎える。主演のピーターパンには4年連続の高畑充希(17)と、02年以来8年ぶりとなる笹本玲奈(24)で13年ぶりダブルキャストが決定。笹本は昨年の高畑の公演を見て“ピーターパン魂”が再燃して復活。2人は刺激し合いながら記念公演を成功に導くことを誓い合っている。

 81年の初演から29年で1433公演。夏のファミリーミュージカルとして定着した名作が、記念の年に“豪華競演”で上演される。しかも、過去にピーターパンを演じた女優が再登場するのは30年の歴史で初というおまけつきだ。
 笹本は昨年、都内で行われた1400回記念公演に来場。8代目ピーターパンとして飛び回る高畑を見て「大人でもこんなにも泣ける作品だったなんて」とあらためて感動。「もう一度、演じたい。20代前半の今ならできる」という気持ちがわき上がった。98年から5年間で149回演じた、いわば自分の分身。同回数は10代主演女優では日本ミュージカル史上最多記録。この舞台で大きく成長したことが、第32回菊田一夫演劇賞(07年)、杉村春子賞(08年)など演劇界で権威ある賞の受賞につながった経緯もあり「原点に戻るためにも必要な作品だと思った」と話している。
 一方の高畑は美しいフライングに定評がある。笹本同様、今作への出演をきっかけに女優として飛躍。TBSドラマ「3年B組金八先生」(07年)、映画「ドルフィンブルー フジ」(同)など活躍の場を広げている。今秋の舞台「奇跡の人」では三重苦のヘレン・ケラーを体当たりで演じ、評論家からも絶賛された。「大好きな役が4年間もできるなんて。さらにパワーアップさせたい」と早くも演技プランを練り始めている。
 先輩たちが築き上げてきた30年の重みは2人とも十分に自覚。「充希ちゃんは若さが武器。私は20代ならではのピーターパンを」と笹本。高畑も「笹本さんとはまた違った、自分なりの演技で」と抱負。双方とも、名作の歴史に新たな1ページを記すことを楽しみにしている。公演は東京国際フォーラムで7月19日開幕。

 ◆歴代ピーターパン
 初代 榊原 郁恵(81~87年)
 2代 沖本 富美代(88~97年)、沖本 美智代(88~94年)
 3代 相原 勇(92~94年)
 4代 宮本 裕子(95~97年)
 5代 笹本 玲奈(98~02年)
 6代 中村 美貴(03~04年)
 7代 宮地 真緒(05~06年)
 8代 高畑 充希(07年~)

続きを表示

2009年11月23日のニュース