三遊亭円楽さん死去 がんに勝てず…

[ 2009年10月30日 15:08 ]

三遊亭円楽さん(:2008年8月撮影)

 流麗な話芸が持ち味で、テレビの演芸番組「笑点」でも親しまれた落語家の三遊亭円楽(さんゆうてい・えんらく、本名吉河寛海=よしかわ・ひろうみ)さんが29日午前8時15分、肺がんのため東京都中野区の自宅で死去した。76歳。東京都出身。葬儀は近親者のみで行い、後日お別れの会を開く予定。喪主は妻和子(かずこ)さん。

 1955年に六代目三遊亭円生さんに入門し、62年の真打ち昇進を機に五代目円楽を名乗った。「笑点」の大喜利メンバーとして「星の王子様」の愛称で人気を集め、落語家タレントのブームをつくった。博学、映画好きで、師匠譲りの芸域の広さを誇った。
 78年、真打ち制度の在り方をめぐり円生さんとともに落語協会を脱退、円生さん死後は弟子たちを率いた。
 2005年に脳梗塞で倒れ、06年に「笑点」を降板。07年2月に東京・国立演芸場で口演した「芝浜」を最後に引退を表明し、第一線から遠ざかった。弟子の楽太郎さんに「円楽」を襲名させることを表明していた。07年に旭日小綬章。

 ▼落語家の桂歌丸の話 ちょうどお見舞いに行こうと思っていたとき、亡くなったという連絡がありました。はなし家としてまた、同じテレビ番組「笑点」に出ていた者として、苦しい中も一緒に乗り越えてきました。さみしいし、はなはだ残念です。円楽さんの持っていた大きな人情話を、お弟子さんの皆さんが受け継いで頑張っていってほしい。

 ▼演芸評論家の矢野誠一さんの話 叙事的で、独特のクールな語りが味わい深かった。「笑点」で、落語とテレビを結び付けた。閉鎖的な印象の強かった演芸の落語を、お茶の間に親しませた功績は大きい。立川談志という好敵手と渡り合った人生だったと思う。落語協会を抜けたことも含め、芸のスケールからタレント性まで、2人は突出した存在だった。

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2009年10月30日のニュース