格安DVDはNG 黒沢12作品にも著作権

[ 2009年10月8日 17:51 ]

 「生きる」など黒沢明監督(1998年死去)の12作品が格安DVDで無断販売されたとして、東宝、松竹、角川映画の3社がDVD製造業者に対し、販売差し止めなどを求めた3件の訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(宮川光治裁判長)は8日、業者側の上告を退ける決定をした。

 著作権が侵害されたと認め、業者のコスモ・コーディネート(東京)に販売禁止などを命じた一、二審判決が確定した。
 映画は、43~52年に公開された「姿三四郎」「酔いどれ天使」「羅生門」「醜聞」など。
 一、二審判決とも、71年の新法施行前の旧著作権法にある「著作者が個人の実名で公表した作品は死後38年間、著作権が保護される」との規定を適用。2036年までは著作権があると判断していた。
 コスモ社は「著作権は既に消滅した」と主張していた。
 コスモ社はチャプリンの映画をめぐっても、著作権を管理する海外法人と争い、第1小法廷が8日「旧法の著作者とは、映画の全体的形成に創作的に寄与した者。著作者が実名表示された映画は、仮に(映画会社など)団体名義表示があっても規定が適用される」との初判断を示し、海外法人側の著作権は保護されていると認定した。

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2009年10月8日のニュース