北野武監督15作目は原点回帰でバイオレンス映画に

[ 2009年9月14日 06:00 ]

15作目の映画をクランクインさせた北野武監督

 北野武監督(62)の第15作目の映画が、暴力団の抗争を描く作品に決まった。タイトルは未定だが、すでに地方で極秘ロケがスタート。暴力を前面に押し出した作品で、「その男、凶暴につき」でデビューした北野監督にとっては原点回帰となる。公開は2010年。

 北野監督が“暴力映画”に戻ってきた。やくざの世界で生きてきた男たちが、生き残りをかけて、駆け引きや裏切りなど激しい権力抗争を繰り広げる、という内容だが、それ以外は極秘。これまで通り主演はたけし自身、しかし、その役柄についても明かされていない。製作側は公開直前まで情報をコントロールし、ファンの“飢餓感”をあおっていくという。
 北野監督は89年、暴力刑事が主人公の「その男、凶暴につき」でデビュー。ベネチア国際映画祭でグランプリを受賞した98年の「HANA-BI」でも凄まじいバイオレンス描写が話題となった。そんな北野監督も最近の3作品では、ギャグを盛り込んだソフトな作品を発表。07年の「監督・ばんざい!」では暴力映画を封印した監督を自ら演じ、ファンからは「映画の中で“暴力との決別”を宣言したのでは?」との声も上がっていた。
 北野監督は「やっぱりバイオレンスものは面白い」と、撮影現場では水を得た魚のよう。共演者にも三浦友和(57)椎名桔平(45)加瀬亮(34)北村総一朗(71)小日向文世(55)ら北野作品初参加の役者を起用。「ぴったりな顔ぶれがそろった。凄くいい感じだ」と手応えを感じている。関係者によると「海外映画祭は意識していない」というが、各国の映画祭からオファーが届くことは必至だ。

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2009年9月14日のニュース