放送人権委「放送倫理違反」とTBSに勧告

[ 2009年8月7日 18:22 ]

 NHKと民放でつくる放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会(堀野紀委員長)は7日、大阪府の行政代執行を取り上げたTBSの情報バラエティー番組「サンデージャポン」について「(申立人である保育園理事の)名誉を棄損する疑いが強く、重大な放送倫理違反があった」として、決定の趣旨の放送と、人権への一層の配慮をTBSに勧告した。

 問題の放送は昨年10月、道路建設のため大阪府の保育園の野菜畑が強制収用された様子を伝えた際、園児らが並んでいる映像を放送。スタジオの出演者が「子供を第一に考えて」などと保育園側を批判した。

 園児らの映像は前日に撮影されたもので、保育園理事は「園児を当日、『盾』にしたかのように放送され、名誉を傷つけられた」として人権侵害を申し立てていた。
 委員会は「編集に配慮不足があり視聴者に誤解を与えた」と指摘。出演者の発言も「明らかな事実誤認に基づく」とした上で「誤りを見過ごし、申立人の社会的評価を低下させた」と判断した。

 またTBSが後日行った訂正放送についても「内容が不十分で、名誉感情が回復されていない」と批判した。

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2009年8月7日のニュース