薬師寺でオペラ「遣唐使」オーケストラに僧侶共演

[ 2009年6月10日 21:32 ]

 平城遷都1300年を前に、奈良市の薬師寺で10日夜、阿倍仲麻呂を主人公にしたオリジナルオペラ「遣唐使」が上演された。

 玄奘三蔵院に設置した特設舞台にオーケストラや琴、尺八の演奏者らが並び、僧侶が声明を唱える中、異国で生涯を閉じた遣唐使の苦悩が歌い上げられた。無事を願う母の想いは能で演じられた。
 6月10日の「時の記念日」にちなみ「時を超えて語り継がれる作品を」と、日本ロレックス(東京)が企画。奈良大教授の上野誠さんが原作と台本を書き、オペラ歌手の福島明也さんが仲麻呂を演じた。人間国宝の山本邦山さんも尺八を演奏した。
 あいにくの雨天だったが、作曲をした芸術監督の松下功東京芸大演奏芸術センター教授は「逆に(荒海を渡った)遣唐使の苦労が表現できた」。来年の同じ日に再び薬師寺で続編を上演し、オペラは完結するという。

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2009年6月10日のニュース