ショーン 父ジョンの思い出曲世界初披露

[ 2009年2月28日 06:00 ]

「Listen」を歌うショーン・レノン

 故ジョン・レノンの息子ショーン・レノン(33)がNHKの音楽番組で、亡き父に向け作った曲を世界初披露する。番組はNHK総合「J―MELO」(不定期で土曜深夜)で3月にも放送。190の国と地域に向け発信されているNHK国際放送でも3月30日に放送される。父親が凶弾に倒れた時の悲しみなどが率直に歌われており、大きな注目を集めそうだ。

 曲名は「Listen」。♪When I was five That’s when you died(あなたが亡くなったのは僕が5歳の時)…と歌い出し、1980年(昭55)12月8日、世界が悲しみにくれた日を振り返る内容だ。

 「And I would do any thing for one conversation with you(もしあなたと一度でも、話ができるなら、なんでもするよ)」と幼くして突然、父親を亡くした戸惑いや悲しみを歌詞にした。「I’ll never forget how she looked laying in her bed(ベッドに倒れ込んでいた母の姿は忘れられない)」と、母親オノ・ヨーコ(76)の当時の様子も明かしている。

 作詞、作曲の時期についてショーンは「しばらく前に書いた曲」と説明。これまでヨーコが参加したコンサートで曲の一部を紹介したことがある程度で、CD化などは一度もされていない。

 これについて、ショーンは「恋の終わりを歌った曲でいっぱいのアルバムに、内容がそぐわなかったから」としている。番組の原田悦志チーフプロデューサーは「悲しい体験を歌っており、大々的に披露するにはさまざまな思いがあったのでは」と推し量る。

 ただ、今回は「父が愛した日本人に聴いてもらえる、この曲を演奏するのにふさわしい機会」(ショーン)として番組で披露することを決意。音楽会社を立ち上げ、初の絵本「ちょうどいい本」を出版するなど、新たな活動をスタートさせたタイミングだったこともきっかけになったようだ。

 NHK側には「歌詞を字幕で出してほしい」とだけリクエスト。1月下旬に来日した際、東京・渋谷の同局内のスタジオで収録された。

 ◆ショーン・レノン 1975年10月9日、米ニューヨーク生まれ。誕生日は父ジョンと同じ。90年、「服部セイコー」の日本CMに出演して話題を集める。同年12月、ジョンの生誕50周年記念アルバムと東京ドームでの生誕祭に参加し音楽活動を開始。98年5月発売のアルバム「イントゥ・ザ・サン」で本格的にデビューした。

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2009年2月28日のニュース