団十郎 たけし主演ドラマで役者復帰

[ 2008年11月27日 06:00 ]

 白血病治療を続けてきた歌舞伎俳優の市川団十郎(62)がドラマで役者復帰した。ビートたけし(61)が東条英機元首相役で主演するTBSドキュメンタリードラマ「あの戦争は何だったのか~日米開戦と東条英機(仮)」(12月24日後6・55)で、山本五十六・連合艦隊司令長官役。このほど収録を済ませ「ひとつひとつ、積み重ねられればいいなと思う」と話した。

 団十郎の演技は今年6月の新派公演「鹿鳴館」(東京・新橋演舞場)以来、5カ月ぶり。ドラマでの芝居となると、00年12月のテレビ朝日系大型時代劇スペシャル「忠臣蔵うら話 仲蔵狂乱」以来、8年ぶりだ。
 山本五十六は日独伊三国同盟や対米開戦に反対していたが、真珠湾攻撃など太平洋戦争前半の主な作戦を連合艦隊司令長官として指揮。団十郎演じる山本五十六は部下に、開戦反対の気持ちを口にしつつ、真珠湾攻撃について部下に説明などする。
 「われわれの世代にとって山本五十六は軍人の中で最も人気のある1人ですし、また太平洋戦争をやるなということを声高に言った方だという認識がありましたので、ぜひやらせていただきたいと思いました」
 入院したのは今年7月。退院後初の公の場となった10月28日の「小唄 夜雨会」(東京・三越劇場)で踊りを披露し、「手術で血液型がA型からO型になった」と笑顔で告白。今月16日の江戸東京博物館(東京・両国)では1時間10分以上も講演を行い、元気な様子を見せていた。
 しかし、さすがのベテラン俳優も役者としての復帰に不安がないわけではなかったようで、「大きな治療をした後なので、セリフを覚えられるのかとか、声はちゃんと出るのかといったことは気になりますので、注意しながらやらせていただきました」と心情を吐露。来年1月には本格復帰の場となる「初春歌舞伎公演」(3日初日、国立劇場)が控えているが、「根本的にはすっかりいいというお墨付きをお医者さんからいただいておりますので、ひとつひとつ復帰といいますか、積み重ねられればいいなと思っています」と語った。

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2008年11月27日のニュース