松ケン津軽弁映画「わいにしかできねえ」

[ 2008年9月12日 06:00 ]

 俳優の松山ケンイチ(23)が故郷の青森県を舞台にした“ご当地映画”に主演する。「ウルトラミラクルラブストーリー」(仮題)で、全編セリフは津軽弁。同じ青森でも下北弁がしみついた松ケンはあらためて方言指導を受ける気合の入れよう。13日から撮影に入る。

 これまでも役柄に合わせて器用にイメージを変えてきた松山。最新作は最も素に近いものになりそうだ。

 農業を営む風変わりな青年(松山)が東京からやってきた美女(麻生久美子)に恋する物語。青森市出身で、これが商業映画初メガホンとなる横浜聡子監督(30)のオリジナルストーリーで、原風景の残る地元と津軽弁にこだわってシナリオを書き上げた。

 松山は高校2年生まで青森で過ごし、映画のイベントなどに出席した際も自分のことを「わい」と言ってしまうなど、方言が抜けきれていないところが魅力の1つ。製作母体である「リトルモア」の中野朝子プロデューサーも「松山さんは体から(方言が)抜けていないんじゃないかと思った」と、そこに目をつけてのキャスティングと明かした。

 ただ、松山は同県むつ市の出身。他県の人間には分かりづらいが、体にしみついているのは津軽弁とは微妙にアクセントが異なる下北弁。そこで、出演が決まった時から、あらためて方言指導を受けるこだわりをみせている。

 津軽弁が多用された作品といえば、「八甲田山」(77年)などが思い出されるが、飛び交う方言に撮影スタッフも混乱してしまいそうな現場になりそうだ。ただし、字幕は付けない予定。松山は「こんのキャラクターだっきゃわいにしかできねえ!(このキャラクターは自分にしかできない)と心の底から思いました。青森で育った監督と青森で育った俳優が、青森で最高の作品を作ります」と張り切っている。09年公開。

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2008年9月12日のニュース