“犬のお父さん”ＶＩＰ待遇で調印式

調印を終え加藤裕一代表取締役社長と記念撮影に応じるカイくん

　ソフトバンクの携帯電話のＣＭで人気の犬、カイくん（４）の主演ＤＶＤが発売されることになった。発売元のビクターエンタテインメント（東京・表参道）で８日、公開調印式が行われ、カイくん自ら出席。約１００人の取材陣を前に“ワンコメント”も発することがなかったが、堂々とした振る舞いでスター！？の貫禄を示した。

　異例のＶＩＰ待遇だ。カイくんのために、ビクターは８・２メートルの巨大リムジンを用意。屈強な黒人ＳＰを２人つけて本社までガード。レッドカーペットも敷かれた。同社所属のサザンオールスターズ、ＳＭＡＰ以上の扱いに、同社の前はやじ馬でふくれあがった。
　カイくんは赤い蝶ネクタイをつけて登場。取材陣のフラッシュ攻勢にも動揺することなく、自ら“お座り”してシャッターチャンスを演出。「カイく～ん」と呼びかければ、その方向へ視線を向けるなど、芸能人顔負けのサービス精神だ。
　ＣＭでは、上戸彩（２２）ら人間家庭の中で、犬のお父さんを好演中。声を北大路欣也（６５）が担当し、見た目とはかけ離れた厳格さと頑固さが人気だ。ＣＭ総合研究所が発表した昨年度のＣＭタレント調査でキャラクター部門の１位。０３年１０月１０日生まれの北海道犬で、体長５０センチ、体重は１５キロ。妹ネネ、弟ポロの３きょうだいの長男。０４年のＮＨＫ朝の連続テレビ小説「天花」でデビューした。
　ＤＶＤはカイくんの日常を追う内容で、９月１０日発売。撮影は今月中旬からスタートする。調印式では「高所での撮影は極力避ける」などの条項を盛り込んだ契約書が交わされ、カイくんは肉球に朱肉をつけて調印。ビクターの加藤裕一社長と握手を交わし、ヒットを約束した。
　調印式は約３０分に及んだが、その間、一声もなし。お付きのトレーナーは「のどの調子が良くないから」と説明したが、ビクターのスタッフは「用意した食事に、好物のサケが入っていなかったからだと思う」と冷や汗！？スター並みの“わがままさ”も持ち合わせているようだ。