300日追跡 宮崎監督の知られざる素顔

[ 2008年6月14日 06:00 ]

「崖の上のポニョ」の主題歌発表会見に出席した宮崎監督(右)

 宮崎駿監督(67)に約300日にわたり密着取材したドキュメンタリー番組が放送される。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀スペシャル 宮崎駿のすべて ~ポニョ誕生の300日~(仮)」(8月5日後10・00)で、最新作「崖の上のポニョ」(7月19日公開)の製作過程などを撮影。宮崎監督が涙を流す姿をとらえるなど、巨匠の知られざる素顔に迫っている。

 取材が始まったのは、「ポニョ」がまだ構想段階だった06年1月。小型カメラを携えた荒川格ディレクターが約2年半、約300日にわたり撮影を続けた。
 宮崎監督を追ったドキュメンタリーはこれまでもいくつかあるが、作品の準備から完成までに完全密着したのは初めて。約1時間半の番組には貴重な映像が満載で、主人公のポニョの原型となったスケッチや、監督がスタッフに作品の構想を初めて明かす場面などもある。ポニョが当初は可愛い女の子だったのが、徐々につり目で強気なキャラクターに変化していったことも紹介される。
 インタビューでは、幼少期の体験を初めて告白。母親が難病を患い入院を続けたことや、その母親の姿を「ポニョ」のほか「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」などの登場キャラクターに投影させてきたことを明かしている。
 番組内でも作品の中で使われる、死期が迫ったお年寄りの心情を歌った曲を聴き「オレはお袋のことを思い出してダメだ」と涙を見せる場面がある。荒川ディレクターは「宮崎作品が空想だけではなく、監督の人生が映し出されたものであることがよく分かる」と説明。有吉伸人プロデューサーは「宮崎監督がもがきながらも作品に真正面から向き合う姿や表情が撮れたと思う。心の揺れや妥協を許さない姿勢を見てほしい」と話している。

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2008年6月14日のニュース