あのフォークルと「トワ・エ・モア」コラボ

[ 2008年6月14日 06:00 ]

「ザ・フォーク・クルセダーズ」のメンバー(左から)北山修、はしだのりひこ、加藤和彦

 「帰って来たヨッパライ」などのヒットで60年代後半に一世を風びした伝説のグループ「ザ・フォーク・クルセダーズ」の加藤和彦(61)ときたやまおさむ(61)のコンビが新曲を作った。同時代の盟友であるポップデュオ「トワ・エ・モア」に書き下ろしたもので、他アーティストへの提供は36年ぶり。同じ団塊世代への応援歌になっている。

 加藤&きたやまのコンビが書き下ろしたのは「人生という劇場」「風が背中を」の2曲。トワ・エ・モアがフォークの名曲をカバーしたアルバム「FOLK SONGS」(ユニバーサル、25日発売)に収録される。
 フォークルとトワ・エ・モアは同じ60年代後半に東芝音楽工業からデビューしたこともあって交流があり、今回もメンバーの芥川澄夫(60)が当時の名曲を選曲する中で「あこがれだったフォークルの2人に新曲を書いてもらおう」ときたやまに依頼し、実現した。
 きたやま作詞、加藤作曲のコンビは「あの素晴しい愛をもう一度」などフォークル作品だけでなくベッツイ&クリス「白い色は恋人の色」など名曲がズラリ。トワ・エ・モアには70年発売のシングル「初恋の人に似ている/おいでおいで」以来38年ぶり。昨年に深夜ラジオ「オールナイトニッポン」の企画盤用に楽曲を作ったが、他アーティストへの提供となると72年のチューリップ「どこまでもどこまでも」(映画「戦争を知らない子供たち」の挿入歌でサントラ盤に収録)以来36年ぶりになる。
 「人生という劇場」は男女掛け合いで歌うデュエット曲。往年のフォーク調で、けん怠気味の団塊世代にもう一度外に出て恋をしようとエールを送っている。また「風が背中を」も第2の人生を前にした素直な心境をつづり、同世代への応援歌になっている。
 日本を代表する精神科医でもあるきたやまは「自分が普段思っていることを誰かに歌ってもらえたらと思い書いてみた」と話しており、トワ・エ・モアの2人も「われわれも同世代に向けて、ちゃんとまっすぐ歌わなきゃ」と自信作に力が入っている。

 ◆ザ・フォーク・クルセダーズ 1965年(昭40)加藤和彦が雑誌の読者欄に投稿し、集まったきたやまおさむら4人で始動。67年に解散するが自主製作アルバム「ハレンチ」収録の「帰って来たヨッパライ」がラジオで大反響。その後、はしだのりひこが加わり再結成してプロデビュー。「帰って来た…」が280万枚の大ヒット、「イムジン河」の発売中止などで注目された。

 ◆トワ・エ・モア 1969年(昭44)にスクールメイツのメンバーだった白鳥英美子(旧姓山室)と芥川澄夫の2人で結成。同年「或る日突然」でデビュー。その後、NHK「あなたのメロディー」から生まれた「空よ」、72年の札幌オリンピックのテーマ曲「虹と雪のバラード」などヒット曲を出し、73年6月に解散。97年NHK「思い出のメロディー」に出演し、98年の長野冬季五輪で記念イベントに出演してから再始動。

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2008年6月14日のニュース