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浜田剛史氏展望 尚弥は勝って当たり前、求められるのは「勝ち方」

[ 2021年6月20日 05:30 ]

WBA&IBF世界バンタム級タイトルマッチ   統一王者・井上尚弥《12回戦》IBF1位マイケル・ダスマリナス ( 2021年6月19日    米・ラスベガス )

計量をクリアしてポーズを取る井上尚弥(左)とダスマリナス(撮影・田中哲也通信員)
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 井上が勝って当たり前と、皆が思っており、何ラウンドでKOするかが注目される試合。井上はやりにくいだろうが、今の彼の立場を考えれば、仕方がないこと。勝ち方が求められ次を考えれば、ケガをしないことも大事になる。そういったものを背負ってやる立場だし、そのぐらいのハンデがあってもいい。

 ダスマリナスは(元WBC世界バンタム級王者)山中慎介のスパーリングパートナーとして何度も来日している。器用な選手でスパーではこちらの要求した通りの闘い方ができるが、本来はボクサーかボクサーファイタータイプ。打っては離れ、離れては打つスタイルで手数も多い。右構えの選手との試合映像を見ると、左アッパーを効果的に打っている印象がある。ただし、(WBO王者)カシメロほどは一発の怖さはなく、井上を相手に3、4発と手を出すのは難しい。前半は打って離れ、後半に打って打ってのパターンを入れてくるのではないか。どんな形でも勝てばいい、善戦しただけでも評価される点はダスマリナスにとって何よりの強みだろう。

 井上はサウスポーを苦にする印象はない。一般的に長身サウスポーはやりにくいのは確かだが、スピードがあれば、距離は関係ない。一瞬のスピード、パワーは明らかに違うので、じっくり攻めれば中盤には倒せるのではないか。懸念材料があるとすれば、早いラウンドで倒せない時に焦ることだが、それは本人や陣営も理解しているはず。井上にとっては自分との闘いになる。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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