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尚弥 前日計量一発クリア「100%。しっかり仕上がった。最高の試合が見せられる」

[ 2021年6月20日 05:30 ]

WBA&IBF世界バンタム級タイトルマッチ   統一王者・井上尚弥《12回戦》IBF1位マイケル・ダスマリナス ( 2021年6月19日    米・ラスベガス )

計量を終え挑戦者・ダスマリナス(右)と握手する井上尚弥
Photo By 共同

 前日計量が18日(日本時間19日)に行われ、WBA5度目、IBF3度目となる防衛戦に臨む統一王者・井上尚弥はリミットの53・5キロで一発クリアした。2度目のラスベガスは有観客での開催。4団体統一という野望に向かって進化を続けるモンスターが、その姿を聖地のファンに直接披露する。スポニチ本紙評論家の浜田剛史氏(60=帝拳代表)は井上にとって「自分との闘いになる」と指摘した。

 恒例のフェースオフ。ダスマリナスが先に視線を外すと、井上は穏やかな笑みを浮かべ、挑戦者に握手を求めた。誰の目にも格の違いは明らか。「100%。しっかり仕上がった。高いパフォーマンスで最高の試合が見せられると思う」。ラスベガス初上陸だった前回は200グラムの余裕を持たせたが、今回はリミットの完璧仕上げ。言葉にも自然に自信があふれ出た。

 視線の先にあるのは4団体統一の実現だが、今は目の前の闘いに集中する。身長1メートル70の長身サウスポーに対し、父・真吾トレーナーは「距離を取りながら崩して、少しずつダメージを与える作業が必要。それをずっとやってきた」と説明。国内トップクラスの左構えの選手たちとスパーリングを重ね、米国入り後は元日本スーパーライト級王者でいとこの浩樹さんとのマススパーで微調整。準備に抜かりはない。

 衝撃のラスベガスデビューから7カ月。大きな野望を抱いているからこそ、モンスターは進化し続けた。大橋秀行会長(56)は「昨年11月から今回までの進化が今までで一番伸び幅が大きかった」と驚きを持って語る。具体的には「以前は全部170キロの剛速球を投げていたのが、そこに160キロのツーシームやカットボールが加わった。強いパンチにも強弱がある感じ。サイドステップやポジショニングも良くなって、いろいろな角度から変幻自在にパンチを繰り出せる。相手は対応できない」と、大好きな野球に例えて井上の進化を解説した。

 2度目のラスベガスでの試合は全米生中継、そして有観客開催とあって宣伝活動も前回以上に活発。「期待の大きさは感じている。期待を裏切らないように全てを出して、しっかりと勝ちにつなげたい」。モンスターが再び、全米を驚かせる瞬間が近づいている。

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