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【浜田剛史の目】井岡、懐入り込み流れ呼んだ パワー勝負に自信

[ 2020年1月1日 09:00 ]

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦   〇王者・井岡一翔《判定》同級1位 ジェイビエール・シントロン● ( 2019年12月31日    大田区総合体育館 )

第6R、右を出す井岡(左)=撮影・小海途 良幹
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 3回と9回が勝負の分かれ目だった。序盤は挑戦者の長い左ストレートと左右のロングアッパーが、井岡にとって相当戦いにくい武器になると思われた。しかし、リーチが長いシントロンは懐に入られるとショートを打てない弱みがある。そこで井岡は3回から強めに出て距離を縮め、流れを呼び込んだ。7、8回と相手に下がられながら対応されて手数が減ると、9回に再び勝負に出てボディーをしつこく打ち続けた。

 井岡が前へ出られたのは、この階級でのパワー勝負に自信が出てきたからではないか。打ち合っても自分の方が上、という手応えを得られたから3回と9回に仕掛けたのだと思う。以前はまとまったボクシングだったが、今はファイタースタイルとまではいかなくとも、打ち合って強い、より攻撃的な選手に変わってきている。

 スーパーフライ級で確固たる地位を築いたことで、今後は統一戦という話も出てくるだろう。統一戦が組みやすい階級でもある。井上尚弥が支持を受けるのはWBSSでバンタム級最強を示したからであり、ファンが望むカードを提供することもチャンピオンとして必要になってくる。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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2020年1月1日のニュース